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〜銃声と硝煙の輪舞〜
災禍の鎧MkU
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と、現在のマークUの行動が彼女によるものだとはどうしても信じられなかった。

暴走。

その言葉が、脳裏を駆け巡る。

「っていうか、これってそもそも何で《鎧》として完成してるわけ?足りないじゃん」

そう。

あの暗闇の世界の中で、初代《災禍の鎧》保持者自らが語ったのだ。

《鎧》の構成要素。

圧倒的なセンチメント――――つまり感情の爆発によって生じる、システム改変すらも引き起こす心意の力。

そしてそれを受け止めるほどの器を持つ超高優先度アイテムの存在。

レンの場合、饕餮(ワイヤー)という依代があったにもかかわらず堕ちきらなかったのは、必要な心意力が足りていなかったからだ。

その点を補うために、フェイバルはかつての《災禍》を形作っていた《核》と《欠片》を合わせることによって間に合わせようとした。まぁ実際には、最後の欠片である《狂哀》を入れられなかったせいで、完全な《鎧》にはなれなかったのだけれど。

では、あの巨人はどうやって顕現できているのだろう。

心意の力。センチメントの爆発。

つまりソフト面については、想像通りならば仕組みは判る。喜びで、嬉しさで身を焦がした、焦がし切った果てということだ。

その点だけは百歩譲って理解はできる。共感はおそらく一生できないだろうが。

だが、依代――――ハードはどうなのだろう。

自分には饕餮というこれ以上ない武器が、得物があった。その高優先度さゆえに、《災禍》の依代として機能できたのである。

しかしフェイバルは?

彼女はそんなもの一つだって――――

「…………ぁ」

そう言えば。

予選決勝の時、彼女は何かを言っていなかったか。

この武器は、SAO世界での自称神様、おそらくはSAO管理プログラムに与えられた人造の魂(フラクトライト)――――カーディナルに与えられたこの武器は、彼の実験によって試験的に生み出された、人工の《神装》だ、と。

さらに、それはレンの持つ饕餮(とうてつ)も含め()()存在する、と。

そう。

《災禍》の依代にも耐えうる破格の装備品が、他にも三つ。

そしてそのうちの一つは。

「…………そうだ……」

彼女は言っていた。

私の《檮?(とうこつ)》は、と。

檮?、というものについては何も知らない。聞いたこともない単語である。

だが彼女は、正しくはこう言っていた。

君の持つ饕餮、そして私の檮?はあの黒尽くめが、自分の知識欲を満たすためだけに生み出した《四凶》という名のモノ達の双角だよ。

「〜〜〜〜ッ!」

くそっ!と少年は吐き捨てる。

ここまで来たらもう決まりだ。

レンの持つ饕餮と同格の武器――――おそらく
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