Fate/stay night
1170話
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「問題ない」
イリヤの言葉を遮るように、俺が割って入る。
「もしも本当に大聖杯がどうにも出来ないようなら、俺が何とかしよう」
「……出来るの? サーヴァントの召喚という奇跡すらやってのけるのが大聖杯なのよ?」
「ああ。俺の宝具なら、問題なく出来る」
「アークエネミーの宝具というと……もしかして、あの竜種ですか?」
俺の宝具を見て最初に思いついたのが、グリだったのだろう。セイバーの尋ねてくる声に、首を横に振る。
まぁ、グリは色々な意味で強い衝撃を与えただろうしな。
特に、この世界だとネギま世界と違ってドラゴンは幻想種という扱いで格別な存在となっている。
……もしかして、ホワイトスターの牧場にいるワイバーン辺りも、この世界だと幻想種って扱いになるのか?
そんな風に思いつつ、口を開く。
「グリフィンドラゴンじゃない、別の宝具だ。それを使えば、ほぼ間違いなく大聖杯をどうにかする事が出来る。……ただ、最大の問題として、その宝具を使った場合周辺にも大きな被害が出るのは間違いない。場所によっては、かなり危険なんだが……大聖杯があるのはどこか分かるか?」
柳洞寺だと知ってはいるが、俺の知識でそれを知っているのはおかしい。
それ故に、この中でもっとも聖杯戦争について詳しいだろうイリヤの方へと視線を向ける。
俺から向けられた視線に、イリヤは一瞬眉を顰めるものの、今は自分の感情でどうこう出来る問題ではないというのは理解しているのだろう。やがて小さく呟く。
「柳洞寺」
「何だって!?」
柳洞寺という名前に、真っ先に反応したのは当然の如く衛宮。
まぁ、柳洞は衛宮の親友と言ってもいいような関係なんだし、その辺はしょうがない。
凛や桜といったマスター組もその辺は知らなかったのか、驚きの表情を浮かべていた。
半サーヴァントである綾子も、驚きの表情を浮かべているという意味では同様だ。
確か部活の件で柳洞とは色々とやり合っているとかいうのを、以前に聞いた事がある。
天敵……というのとはちょっと違うだろうが、因縁深い相手がこんな形で聖杯戦争に関わってくるとは思ってもいなかったのだろう。
「正確には、柳洞寺が建っている円蔵山の中にある大空洞の中に大聖杯はあるらしいわ。つまり、直接柳洞寺の近くにあるんじゃなくて、山の中にあるの」
イリヤの言葉に、ホッと安堵の息を吐いた衛宮。
柳洞が直接の危機に陥る事はないと思っての安堵の息だったんだろうけど……それは少し安心するのが早い。
「……厄介だな」
俺の呟きが道場の中に響く。
その言葉の意味を知っている……というか、朧気ながら予想しているのは、俺がどうやって大聖杯を破壊するのかを予想している凛と綾子くらいか。
この
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