私の宝物 超能力 第4話
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れていた。
その力をまざまざと見せつけられたのだ。
今はお礼よりも無事に送り届けるのが自分の役目と心得、いずれお礼を述べなくてはならないが。
暗子は富田家の広い中庭に降り立った。すると左右に数人のメイドと執事が左右に別れ深々と頭を下げて出迎え、その向こうに幸男の両親と幸男本人が軽く会釈して微笑んでいた。
中庭だけでも二百坪はあろうか、その近くには池があり噴水があった。
真夏の太陽が燦燦と降り注ぐ昼時だが、緑の芝生と噴水のせいか暑くは感じなかった。
暗子は母が特訓してくれた礼儀作法に従い、メイド達以上に深々とお辞儀をした。
処が両親も幸男も不思議な表情を浮かべている。
「ねぇ幸男、命の恩人といった方はあの人なの。あんな美人だとは聞いてなかったけど」
「うん別人かと思った。信じられない。あの人があの暗子さん……あの時は暗がりで良く見えなかったし確か眼鏡を掛けていたけど」
しかし目の前の彼女は、このように語った。
「本日は私のような者を、お招き戴きありがとう御座いました」
戸惑った幸男の母は笑顔を取り戻し応えた。本人に間違いないようだ。
「いいえ、こちらこそ無理なお誘い致しました。どうぞお入り下さい」
幸男は容姿のまったく違う暗子に驚き、しばし唖然としていた。
あのド近眼のメガネはなく髪が綺麗に整えられ、まるで別人のようだ。最も暗子が貧しい家で育った事は知らなかったが、目の前に居る暗子は上流社会のお嬢様のようだった。
女性ってこうも化けられるものなのか? 最初見たと時は仮の姿でこっちが本物なのか。
初対面の時はどう見ても、垢抜けしない娘に見えたのだが、しかし歩く姿も堂々としていてファンションモデルのようだった。
幸男の父も幸男から聞いていた印象と余りに違う様子に驚きを隠せず、幸男に小声で囁いた。
「おい、幸男。お前が言っていた女性は本当にこの人なのか」
そう囁いた。
垢抜けしていなくて貧しそうな娘だと聞いていた。
それがモデルとまでは行かないが、とても綺麗で美しく輝いて見えた。
だが当の暗子は、そんな自分の美貌に気づいていなかった。髪型と眼鏡からコンタクトに変えて、ちょっと綺麗な洋服にしただけなのに。
それも金の力で化けただけでも、多少は綺麗に見えるかと思った程度だった。
一夜だけのシンデレラ嬢と思っている。
また明日からジーパンに、いつものジャケット姿に戻るのだからと。
やがて広い応接間に通され幸男の両親が正面に二人並び、暗子と幸男がその前に座った。
早速、執事が会釈してメイド達に目配りすると、豪華な飲み物や料理がテーブルに並べられた。
「では改めて、ようこそいらっしゃいました。この度は幸男が命を助けて戴きまして本当にありがとう御座いま
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