生まれて消えて、また生まれた。
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画面の向こうには作られた空間が広がっている。
それはこの現実には干渉しない。何故なら次元が違うから。
彼らに意識は無い。何故なら僕らに作られたから。
セリフも悩みも気持ちも全てがそう。哲学的ゾンビのそれと一緒だった。
僕らに何かを読まれ、何かを感づかれ、何かを得られ、そして切られるのだ。
それは消費で、生産でもある。
画面の向こうこそが現実であると信じて行動し続ける。全てが終わるまで。もしくは終わらせるまで。
その一回は全て計算されたもの。
予定されたものであって、抗えない事でもあった。
さて、少し視点を変えてみよう。
まず僕らが居る。これを彼らと同一視してみよう。
僕らは言葉を考えていない。考えていると思い込んでいる。
僕らは感じていない。感じていると思い込んでいる。
僕らはそれら全てが自由な意思によって決められたと思い込んでいる。
そして理不尽に終了する。この世が何の前触れも無く終了する。
一難去って、そして終わる。もう零難だ。何も無いから。
これはある意味では、大量殺人のような物だ。
いくら考えてなく、感じなく、思い込んでいても、思い込んでいたのだから。
ゾンビではなく生きていた人間だと思っていたのだから。
これは理不尽な死だった。と考えることが出来る。
素晴らしく、空しい終わりを何度も大量の僕らによって消費されるのだ。
それが当たり前のような食事としてである。
「これ考えるたび、僕達は何なのかずっと分からず思考を彷徨うんです」
これはずっと答えの出ない問題。
解けるはずがない問題。
でももしかしたらそれは、現在だからかもしれない。
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