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リリカルな世界に『パッチ』を突っ込んでみた
第二十二話
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た。

 さて、葵はと言えば、自身の新しく手に入れた能力、【魔力完全掌握】に非常に満足していた。

 確かに、この能力を手に入れたことにより、葵は魔力以外のエネルギーへの干渉が不可能になった。

 ・・・しかし、魔力とは、そのデメリットを覆す程のエネルギーだったのである。

(すげえな。『クリーンなエネルギー』だなんて原作(リリカルなのは)で言われてたけど納得だ。このエネルギーがあれば、火力やら風力やらなんてバカバカしくて使ってられねえな。管理局が増長するのも頷ける)

 使った分のエネルギーを、世界から(・・・・)徴収して回復する。

(進化して理解できた。魔力はどこにでもある(・・・・・・・)んだ。どんな世界にも存在する。地球にだって、最初からあった。それを観測する術がないだけだ)

 そう。どんな世界にも魔力はある。それは、もはや葵にはエネルギー不足などという言葉が存在しないことを意味していた。そして・・・

(どんな形にもなる。炎にも水にも電気にも・・・そして、目の前の暴走体(コイツ)のように、物質にすらなれる!!!)

 フェイトも、魔力を電気に変換する能力を持っているし、暴走体や闇の書の防衛プログラムなども、魔力で作られた物質だ。魔力とは、いかなる存在にもなれる、万能のエネルギーなのである。

 ―――つまり、だ。

 そんなエネルギーを隷属させ、いかようにも操る事が出来る葵は、進化する前をはるかに超える万能性(・・・・・・・・・・・・・・・・)を手に入れた事になるのである!!!

「ッハ・・・!ハハハ・・・!ハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 笑う。笑う。嬉しすぎて。これだけの力を手に入れた今、葵を止められるモノなど何もないことを確信して。もう、寿命以外で死ぬことはないと確信して。例え管理局と正面から戦争しても、圧勝出来てしまうだろう。原作三期で、たかが(・・・)AMF(アンチ・マジック・フィールド)にあれほど苦戦していた連中である。そんな紛い物と比べることすら烏滸がましい【魔力完全掌握】と対峙して、無事であるモノなどいるわけがないのだ。

「あ〜・・・夢に一歩近づいたぞ。嬉しいなァ・・・。」

 長い笑いをやめて、葵は前を向く。

「ヒッ・・・!」

 葵の背後で、小さな悲鳴が聞こえた。フェイトだ。常軌を逸した葵の様子に、恐怖を隠せなかったようで、チラリと葵が後ろを見ると、更に怯えてアルフに抱きついていた。

 こんな危険な状況で笑う、血まみれの少年だ。恐怖を感じても仕方がない。

 見れば、ユーノもカタカタと震えていた。

「・・・ふん、まあいいさ。お前らの相手してる場合じゃないしな。」

 そうして、葵は今度こそ前を向く。ビルよりも
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