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禁断−妖怪と人間の恋−
禁断−妖怪と人間の恋− 序章!
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【序章】


景色は、橙色に染まっていた。
ここは、人間界_自分たちがいる世界の、ずっとずっと上の世界。
綺麗な夕日を見ながら、少女・紅蘭(ぐらん)は、紅い大きな羽を開いた。
「我の世界を繋ぐ地界への道よ、開け」
ゴオーッ開いた闇の道に向かって、紅蘭は紅く長い髪をなびかせながら急降下し、妖怪・紅雀(こうじゃく)として、地界_妖怪の世界へと向かった。

本来は、用事がなければ、むやみに人間界へ行ってはいけない。
理由は二つ。一つ目は、“無妖力状態”。地界からずっとずっと上の世界へ昇る際に、莫大な妖力を使ってしまうからだ。地界では、消耗した妖力を回復することができるが、人間界にそんな力はない。そのため、地界へ戻る妖力が無くなり、地界に帰れなくなってしまうからだ。
二つ目は、“人間との恋愛”。地界の妖怪たちは、人間界に行くと二人に一人は人間に堕ちてしまう。人間に堕ちて、多数の妖怪たちが姿を消しているのだ。
そんな理由も忘れていた紅蘭は、妖力の半分だけで、行き帰りをしてきた。なぜ、力尽きなかったかというと_…。
「あーっ!!いた!!お前、今まで何処行ってたんだよッ!!特訓はどうした!!」
「…兄さん……」
紅蘭によく似た青年。彼は紅蘭の兄で、名前は紅蓮(ぐれん)。紅蘭が膨大な妖力を持っていたのは、毎日毎日、紅蓮に厳しい特訓をされてきたからだった。
「あっ!兄さん、私ね、人間界に行ってきたの!!」
「はっ!!?」
紅蓮は、持っていた資料をバサッと落とした。紅蓮が怒っているのに気づかず、紅蘭は自慢話を続けた。
私、初めて行ってきたんだけどさぁ〜!無妖力になんてならなかったんだよ!!あ、それにね、人間界の景色はサイコーで…!!夕日がすっごく綺麗だったな〜!」
ザア…と、嫌な風が吹く。そして、紅蘭は気づく。
紅蓮の、怒りに__!!!
「紅蘭…なぜ許可なく、勝手に人間界に行った…?」
「…っあ…や……その……」
「お前はこの世界の掟を破った。罰として、反省文30枚と地界マラソン1周、あと“紅炎”の訓練、プラス5時間!!」
「えぇ〜!?そんなにできないよー!!」
「うるさい!あたり前だろう。行ってはいけない人間界に、許可なく勝手に行ったんだからな」
掟を破った者には、辛く、苦しい罰が待っている。
地界マラソンは、地界中を1周飛ぶこと。1周の距離は100kmほどあり、中でも一番辛い罰である。同じく“紅炎”というのも、妖力が無くなるまで訓練されるため、激しい疲労感を感じるのだ。“紅炎”は、紅蘭たち『紅雀』専用の訓練。自らの妖力で、紅い炎を作りだし、それを2km先の的に当てるという訓練。当たるまで訓練されるため、紅蘭は3つのうち“紅炎”だけが大嫌いだった。

厳しい訓練を終えた紅蘭は、倒れるように座った。そして、はぁーと、長
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