二十五話:闇の書の闇
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薙ぎ払う。
天に高々と大剣を掲げ、フェイトは高らかに叫ぶ。
バルディッシュは主の想いに応えるべく光り輝く。
『Jet Zamber.』
天をも切り裂く程にその刀身を伸ばしたバルディッシュを振り下ろす。
海を割らんとする太刀に何とか相対する最後の防壁だったが閃光の主従には及ばない。
砦をすべて奪われ、為すすべもなく切り裂かれてしまう。
「やった!」
喜びの声を上げるフェイト。しかし、闇の書の闇の再生力を舐めてはいけない。
切り裂かれた傍から再生を始めていき、無数の触手から砲撃の準備を始める。
だが、その程度の砲撃を撃たせるようでは盾の守護獣の名が泣く。
「主とその家族を守る盾、ザフィーラ! 撃たせはせん!」
海面から無数の藍白色の杭が現れ触手を貫いていく。
その様はまさに鉄壁。その鉄壁の後ろでは守るべき主が備えていた。
唱えられるは石化の魔法。初めての魔法になるであろうが、ユニゾン状態のリインフォースのおかげでしっかりと扱うことができる。
「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け。石化の槍、ミストルティン!」
白い魔法陣より七本の光の槍が闇の書の闇へと降り注ぐ。
その槍には直接的な攻撃力はない。
しかしながら、追加効果として生体細胞を凝固させる『石化』を持つ。
その証拠に槍が突き刺さった部分からすぐに石化していっているのが伺える。
「これでどうや?」
確かな手ごたえはある。
だが、この程度でやられるのならば、破壊不可能などと言われはしない。
崩れ去ったすぐそばから新たな頭部を生やし、触手を生やしていく。
ダメージを与えても即時再生するほどの治癒能力。
それが闇の書の闇が破壊不可能と言われる由縁。
「ダメージは与えられているんだ。何か、動きを止められるものがあれば……」
異常な再生力に歯噛みをしながら対応策を考えていくクロノ。
ダメージを与えられているという事実がある以上は計画の成功は可能だ。
だが、あと少し力が足りない。何か、強力な技があれば。
そう考えたところで闇の書の闇が体から直接生やした触手をはやてを求めるように伸ばしてきた。当然のようにそれを防ぐザフィーラだったが攻撃はそれだけではなかった。
触手を無数に分裂させる行動に出たかと思えば、体中から数え切れない触手が湧き出てくるという恐ろしい状態へと豹変していく。
「な、なんだか凄いことに……」
「辺りのものを侵食していくつもりだ。早くしないと止められなくなる!」
グロテスクな光景に若干怖気づくシャマル。
その様子を見ていよいよ時間がないことを悟り、焦るユーノ。
ヴィータやシグナム、ザフィーラが押し止めるよう
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