二十五話:闇の書の闇
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
決めたところで、海中からどす黒い闇の柱が幾つも噴出する。
いよいよ、その姿を現すのだ。夜天の書を呪われた魔導書と言わしめた存在。
「―――闇の書の闇」
黒いドームが消えた先にいたのは、一言で言い現すと異形。
虫のように生えた六本の足。しかしながら、その佇まいは四足動物のようで。
背中には巨大な棘と漆黒の翼がある。その構造は生物としては明らかに異常。
キメラのような巨体は闇の書が今までに蒐集してきた生物の寄せ集め。
しかし、人間を蒐集した影響か、かつての名残か、その頭部の頂上にはリインフォースの面影を少しばかり残した女性がついている。
「なんだか気持ち悪い姿になったねぇ。まあ、あたし達のやることには変わりないよ!」
「ストラグルバインド!」
オレンジの鎖に、緑の鎖が闇の書の闇の周りを守るように取り囲む触手や足を千切り取る。
アルフとユーノの役目は、なのは、ヴィータ、フェイト、シグナムの四人の最大火力の一撃を当てるためのおぜん立てだ。
そして、それは盾の守護獣もまた同じ。
「縛れ、鋼の軛!」
一本の巨大な藍白色の杭が現れ、残った触手達をあっという間に引き裂いていく。
ユーノやアルフはサポートが得意な存在ではあるが、その為に生まれたわけではない。
だが、ザフィーラは主の盾となり、立ちふさがる災厄を切り裂く牙として生みだされた存在。
一点に特化した状況でのその力は二人を遥かにしのぐ。
「ちゃんと合わせろよ。高町なのは」
「ヴィータちゃんもね」
三人のサポートにより、容易に近づけるようになりヴィータとなのはが姿を見せる。
鉄槌の騎士ヴィータと鉄の伯爵グラーフアイゼン。
かつて、なのは達の結界を壊す際に使われた、最強の槌が再び握られる。
今度は共に戦うために。
「轟天爆砕! ギガントシュラークッ!!」
島ほどもあろうかという巨体に対応するために山の如き大きさに変化する槌。
本来であれば隙が多くなるその形態も仲間という助けがあれば問題はない。
唸りを上げて振り下ろされるのはその名に恥じぬ巨人の一撃。
その威力は以前よりも激しく強く、闇の書の闇の防壁を一撃で砕き去る。
「レイジングハート、エクセリオンモード!」
『Ok, my master.』
鉄槌の騎士に続くは幾度も彼女とぶつかり合った不屈の魔導士と魔導士の杖。
魔導士の杖は主の願いを叶えるために、希望を体現する翼を生やす。
その姿は自身が滅びるかも知れぬ諸刃の剣。
しかし、主の願いを叶えることができるのなら問題はなし。
寧ろ、主の願いに答えられないデバイスなどデバイスではない。
そんな誓いと共に希望へはばたく桃色の翼をはためかせる。
「エクセ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ