二十五話:闇の書の闇
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るが、壊れるときは一瞬だ。
「お父上は恐らくは同じような選択で犠牲にしてきた者達の為に引けなかったのだろう。だが、その支えを我々が壊した」
「だからな、私達はおとんと同じ選択をしたらいかんのよ。やないと申し訳がたたん」
「主の言う通りだ。異なる道を選んだ以上はそこから逸れるわけにはいかん」
ザフィーラの重々しい言葉にはやても頷き、同じ選択をしてはならないと告げる。
大の為に小を切り捨てる選択を否定した。
それなのに同じ選択をしたら否定されたものは決して報われない。
切嗣が誰よりも奇跡を否定しながら、奇跡を起こしてしまった為に犠牲を無意味にしてしまったことと似たようなことになるだけだ。
「アルカンシェルを撃つんなら、どっか別の場所に移すのはダメなん?」
「もっと、沖合に移動させるとか」
「いや、それでも被害は消えない。正直、この世界のどこに持って行っても被害が起きかねない」
はやてとフェイトが意見を出すが、それをクロノが否定する。
やはり、そう簡単にはいかないかと肩を落とす二人に対して、なのははクロノの言葉に引っ掛かりを覚える。
そう、この世界のどこに持って行ってもダメなのだ。
「ねえ、クロノ君。アルカンシェルってどこでも撃てるの?」
「どこでもって……例えば?」
「アースラの軌道中とか、宇宙!」
「まさか…!」
なのはが何を言いたいのかを理解して目を見開くクロノ。
なのはは地球で撃てないのならば宇宙で撃ってしまえばいいと言っているのだ。
確かに宇宙で撃つことは可能だ。アースラのエイミィも自信満々に頷いている。
しかし、だからと言ってあのデカブツを移動させられるのか。
「そうだ。コアを露出させて、それだけを強制転移させればできないかな」
「防衛プログラムにバリアがあるけど……破れんこともない」
「つまり……ここにいる戦力でバリアを破いて、本体を一斉攻撃してコアを露出させてアースラ軌道上に転移。そこでアルカンシェルを撃つってことか……ムチャな。でも、理論上はいけそうだ」
余りにも力押しで、ごり押しの作戦に呆れた顔をのぞかせるクロノ。
だが、考えれば考えるほど実現可能だということが分かりため息をつく。
賭けだ。個人の力だよりの危険な賭けだ。高ランクの魔導士が何人も必要だ。
だというのに、この場にはその高ランクの魔導士が何人もいる。
冗談抜きで奇跡でも起こっているのではないかと思いながらクロノは告げる。
「やって損はない。その作戦でいこう」
【みんな、暴走開始まで後二分を切ったよ!】
エイミィからの連絡により全員の顔に緊張が走る。
ザフィーラ、アルフ、ユーノ、シャマルの四人がサポートに回り、残りが攻撃に回る。
手早く役割を
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