第6話リバイブ・クリスマス
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
ないと思う。だってそんな物があったら今まで死んでいった人達がみんな生き返ることだって出来るかもしれない、あたしは完全にデマだと思う。お兄ちゃんだってきっとそう思っていたはず、なのに行ってしまった。きっと小さな、本当に小さな可能性を感じて確かめに行ったんだ。・・・《リトルギカント》の蘇生の可能性を。
《リトルギカント》のみんなはお兄ちゃんの学校のクラスメイトとあたしで構成されたギルド。しかもみんなお兄ちゃんとすごく仲の良かった人達だった。あたしはお兄ちゃんを通して知り合ったけど、みんな良い人ですぐにあたしも仲良くなった。そんな人達をいきなり、それも一斉に亡くしてしまったらショックなんて言葉で片付けられないくらいだけどーーーそう考えている内に玄関のドアが開いた音がした。
「お兄ちゃん!?」
「・・・ただいま」
「ただいまじゃないよ!急にいなくならないでよ!」
「・・・ゴメン」
お兄ちゃんが帰宅していきなりいなくなったことを怒鳴るように叱ってしまった。その当人は少し間を空けて謝ってきた。
「蘇生アイテムなんて・・・そんな根も葉もない噂なんて信じて、死にに行くような真似しないでよ!」
「やっぱり気づいてたか、変に期待させたくなかったのに。・・・本当だったよ、その根も葉もない噂。」
「え?・・・あったの?」
お兄ちゃんはあたしに変な期待をさせたくなくて黙って出ていったんだ。でもそのあとに言い放った言葉に驚愕し、硬直した。ソードスキルを使った訳じゃないのにーーー
「これだ・・・もう意味ないけど。」
「は?意味がないって、どういうこt「タップして詳細を見てみろ」・・・?」
お兄ちゃんが言った言葉に疑問を感じたけど、言われた通りアイテムをタップして詳細を確認してーーー理解した。それと同時に、なんともいえない気持ちが沸き上がった。
「対象のプレイヤーの・・・「10秒以内」・・・」
「・・・おまえが持ってろ」
「10秒以内」ーーーそんなのとっくのとうに過ぎてる。意味がないと言ったその意味はーーー遅すぎた、という意味だった。
あたしの目から小さな水滴が落ちた。時間がたつにつれて、その量がどんどん増えていった。
お兄ちゃんは自分の部屋に戻ってしまった。あたしも見せたくないんだ、聖なる夜に降り注ぐ・・・悲しみの雨という名の涙をーーー
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ