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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第490話】
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る――誰もがそう確信したその時、紅い襲撃者の腕部ブレードの装甲が弾け飛び、粒子ブレードが形成され、ミサイルの信管部分のみを切り払った。

 必中だと思われたミサイル数基も、同様に切り払われる。

 簪自身、信じられないといった表情を浮かべたのだがそれも直ぐに頭の片隅に追いやり、ミサイルの再装填を開始した。

 だが、それを見逃す紅い襲撃者ではなかった、背部ブースターを起動させ、息の根を止めようと迫る。

 ヒルトも未来も、直ぐ様その行動に気付き、紅い襲撃者に対して射撃を開始するのだが、ダメージを負う事に躊躇いすら見せない紅い襲撃者を止めることは出来なかった。

 誰も止める者が居ないこの状況――だが、紅い襲撃者の前に立ちはだかったのは同様の紅い装甲を纏った篠ノ之箒だった。


「やらせん! 私が相手だ!!」


 勇ましく飛び出した箒は直ぐ様切りかかる、紅い襲撃者もプログラムによって篠ノ之箒を殺すことは出来ない。

 動きが鈍くなる襲撃者――だがそれでも、箒の攻撃を避けて払いと実力の違いを見せつけていた。

 攻勢に出る紅い襲撃者、二振りの刀を弾き飛ばすや、邪魔だと言わんばかりに装甲に蹴りを入れる。

 軽く吹き飛ぶ箒に、追撃の一撃を与えようと粒子ブレードを構える。


「くっ……! 『紅椿』! 見せてみろ、お前の力を! 私に力を貸せ!!」


 吹き飛んだ箒だったが、姿勢制御して叫んだ。

 そして、それに応えるように肩部ユニットがスライドされ、矢じりをつがえたクロスボウの様に形成された。


「なんだ、これは……?」


 困惑する箒を他所に、ハイパーセンサーに表示される情報パネルと共に淡々とした機械音声が聞こえてきた。


『戦闘経験値が一定量に達しました、それに伴い新装備の構築完了しました。 出力可変型ブラスター・ライフル《穿千》は最大射程に優れた一点突破型の射撃装備で――』


 機械音声の説明を煩わしく思った箒は、説明の途中で叫ぶ。


「ええい! 訳のわからない説明など私には不要だ!!」


 ハイパーセンサーに表示された情報パネルをかき消し、使い方も今一理解せずにそれを構える。

 だがその刹那、箒の脳内に穿千の情報が入り込んだ。

 それを理解した箒は、PICを機体支持に全て回し、ターゲット・スコープを右目に呼び出す。

 この機能は姉である篠ノ之束の配慮だった、他の者ならここまでする必要はないだろうし、する義務もない。

 箒はその事実に気付かぬまま、射線を紅い襲撃者に向けた。

 だが、それに気付いた紅い襲撃者は射線軸を外れるように動き、【ある地点】まで行くと唐突に動きを止め、誰から見ても棒立ちの隙だらけの姿を見せた。

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