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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第490話】
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が距離ゆえに北落師門・真打ち以外の武装では有効打を与えるのは厳しいとヒルトは内心悟った。

 一方の未来も、手応えは感じてはいるものの出力の落ちない紅い襲撃者の機体に何かを感じ取った。


「見た目はボロボロなのに、性能が落ちない……内部ダメージが蓄積してないの……?」


 呟くようにそう言い、ヒルトと入れ替わる様に接近戦を試みる未来、ヒルトの離脱タイミングと合わさり端から見ると息ピッタリのコンビネーションプレイに見えた。

 簪の方はというと、既に各ミサイル全てのダイレクト・リンクを終え、マニュアル・ロックを開始しようとしていた。

 全ては一瞬、タイミングを見計らえばヒルトや未来にまで危害が及ぶ――絶対防御が稼働していないその中での精密なマニュアルロック射撃、額から汗が滴り落ちる。

 落ち着いて――何度もそう言い聞かせ、何度も深呼吸し、肺に空気を送り込む。


「この『山嵐』から、逃さない……!!」


 以前の彼女からは考えられない程の強気な言葉、集中力を高めた簪は肩部ウイング・スラスターに取り付けられた六枚の板が一斉にスライドされ、開いた。

 その異様な光景に気付いた紅い襲撃者は、ヒルトと未来の攻撃を防御、回避しながらも織斑一夏と篠ノ之箒の二人を足止めさせていたシールド・ビットを呼び戻した。

 刹那、アリーナに簪の声が響き渡る。


「力を貸して、『打鉄弐式』! 皆を……助けたい……!!」


 その言葉に呼応するかのように、機体に収まっていたコアが淡く光を放つ――だが、それに気付いた者はヒルト以外居なかった。

 そして、けたたましい音がアリーナ全体に轟き、打鉄弐式から一斉にミサイルが発射された。


「ダイレクト・リンク、確立……! マニュアル・ロック、開始……!」


 紅い襲撃者に向けて、放たれたミサイルが一斉に襲いかかった。

 ヒルトも未来も、ミサイルの発射されたタイミングで範囲外へと緊急離脱していたため、簪の味方を巻き込むという不安は杞憂のものとなっていた、二人を巻き込まないという安堵な気持ちを他所に、ミサイル一基一基、全てをコントロールする。

 その挙動は通常のミサイルのものではなく、まるでそれが意識を持ってるかのように複雑な三次元跳動をしていた。


『――――――』


 紅い襲撃者はモノアイを輝かせ、シールドビットを展開、エネルギーシールドを形成させたビットがミサイルの行方を阻んだ。

 だが簪も負けてはいない、明確な強い意思を持ち、一発でも抜ければと思い、隙間を掻い潜って何基かのミサイルの突破に成功した。

 肉薄するミサイル、既にシールドビットを潜り抜け、ミサイルは必中の体勢になっていた。

 ミサイルが当た
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