暁～小説投稿ｻｲﾄ～:IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》【第４９０話】

暁～小説投稿ｻｲﾄ～

IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

【第４９０話】
[1/4]

　銃声がアリーナ全体を木霊する、発砲音が轟く度に散弾の雨が紅い襲撃者の機体に少しずつ損傷を与えていた。

　だが、距離を離したとしても直ぐ様肉薄し、接近戦を挑んでくる紅い機体に未来は自分のペースを掴めず、時折押され気味になっていた。

「ッ！　接近ばかり……しつこいんだからッ！！」

　思わず出た本音も、相手には届く事はなく、何度も何度も切り結ぶ未来、一方の簪は心落ち着かせる為に何度も深呼吸を繰り返す。

　本来なら未来と二人で戦わなければいけないのだが、初の実戦という事もあり、一旦思考をクリアにする必要があった。

　マルチ・ロックオン・システムに不備がある現状、どうすれば現状を打開出来るか、突破口をどうすれば開けるのかを思案――そして。

「……マニュアル誘導システムなら、打鉄・弐式の【山嵐】なら……！」

　機体が淡く光を放ち始め、四肢の装甲が粒子となって弾けて消えた。

　両手両足、その指先には投影キーボードが浮かび上がる。

　機体周囲には各種周囲や機体のパラメーターが表示された投影型ウインドウが開いていた。

　その異様な姿に気付いた紅い襲撃者、モノアイがその姿を捉えるとさっきまで対峙していた未来を他所に、瞬時加速を行ってその行動を阻止しようとした。

「……！？」

　簪の目が見開く――今山嵐を起動させれば相手は直撃を免れないが、自分も只ではすまされない――命を失う危険性の方が高かった。

　だけど、悩んでる時間はなかった――一瞬の判断で全てが決まるのなら、今ここで決着が着くなら。

　そう決心したその時、肉薄する紅い襲撃者と簪の合間に割って入る黒い機体。

「おっと、悪いが未来の次は俺の相手をしてくれよな」

　合間に割って入ったのはヒルトだった、肉薄してくる紅い襲撃者を抑え込み、背部展開ブースターを起動させ、互いが螺旋を描くようにまたアリーナ空中へと躍り出るのだった。

　既に全身の痛みが消えたヒルトにとっては造作もない事だった、そのまま交戦に入るヒルトと襲撃者――互いの刃が切り結ぶ度に激しく火花を散らせた。

　未来もヒルトの邪魔にならないように中間の距離から九式・禍乃白矛によるオールレンジ攻撃を行う。

　ヒルトの剣撃の隙を拭う様に粒子を纏った矛先が紅い襲撃者に確実にダメージを負わせていった。

　だが、紅い襲撃者の機体は見た目ほど深刻なダメージを受けてはいなかった、所々装甲は破砕しているものの機体性能に関わる箇所への致命傷だけは強固な部分的シールドによって守られていたからだ。

「ちぃっ……ダメージは与えてる筈なんだが、なかなか出力が落ちないな、こいつ！」

　何度も切り結ぶ度に刃からは火花が散っていく、距離

[8]前話前書き [1]次最後 [2]次話

※小説と話の評価する場合はログインしてください。

[6]

[0]目次に戻る

暁～小説投稿ｻｲﾄ～
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ

2024 肥前のﾎﾟﾁ