第1話 出会い
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その言葉を訊いたギルダーツは、笑うのを止めた。真剣な表情へと変わる。
「……はい判った。とは言えないんだ。オレも一応は依頼された身だからな。……悪いが、簡単には帰れねぇんだ」
そう言うと同時に、身に宿している魔力を、外気へと開放した。強大な魔力は大地に振動を与える。まるで 地震が起きているかの様に、震える。
それを見た少年も、変わった。
表情こそ、変わらないが、明らかに臨戦態勢に入ったのは判る。
「……そう。アンタも、あの連中と同じなんだ。あの連中と………」
そういうと同時に、少年も魔力を解放させた。それを見たギルダーツも思わず目を疑った。
一回りも二回り小さい子供が、でかくなった、と感じたからだ。
そして、話に沈黙が広がり、それに比例して魔力も力強くなっていく。
あまりのプレッシャー故に、周囲の崖が耐えられなくなり、崩れ落ちた、次の瞬間だ。
凄まじい衝撃音が周囲に迸ったのだ。
それは、少年の拳とギルダーツの掌が激突したからだ。間合いは互いに3〜4m程離れていたと言うのに、ものの一瞬で互いが間合いを詰めて、攻撃をした様だ。
そのあまりにも強大なその衝撃は、辺りの地面、面している大地を捲り上げた。
「っ……!!」
初めて、驚愕の表情をした。驚いているのは少年の方だった。
何故なら……。
「へぇ……やっぱつええな… 聞いてたとおりだわ。すげぇすげぇ」
渾身の力を込めて放った右拳を、笑顔で……、笑顔で拳を受け止めているのだから。
「ッ! こっのッ!!」
今度は、蹴りを放った。ガラ空きの脇腹に向かって矢の様な蹴りを放つ。その風圧で、ギルダーツの後ろの岩が吹き飛ぶのだが、受け止めたギルダーツは吹き飛ばなかった。
止めていた手とは反対の手で、少年の蹴りを受け止めていた。
「ふうっ…………。今のは結構痛かったぜぇ……? あー、手がいてぇ。さっきのパンチもそうだがな。うちのギルドの連中でもこれほどの奴はいねぇって思うよ。なぁ!」
ギルダーツは、受け止めた拳に、クラッシュの魔法を放った。強大な魔力が拳を伝わり、少年の身体の中に撃ち放たれる。
「ぐっ!!」
そのクラッシュの衝撃で、吹き飛ばされてしまった。
崖に激突をしてしまったが、何とか受身を取る事はできた。
「(腕、が……)」
クラッシュを受けた事で、完全に腕が痺れてしまい、その感覚が全く無くならなかった。つまり、暫くは使い物にならない。
「へぇ……。やっぱしすげぇな? 大人気なく魔法使っちまった……。って 思ったんだけどな……。食らっておいて、ぴんぴんしてる奴なん
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