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竜から妖精へ………
第1話 出会い
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ように設置したのだが、まさかこんなに早く来るともこられるとも思っていない。あの規模の大きな岩をここまで早くに壊せるとは思えないだろう。

 だからこそ、この場所に近づいてきている者は、只者じゃない。


――……間違いなく、これまで来た連中より格段に。


 彼はゆっくりと立ち上がった。

「それでも……オレはこの場から動きたくないんだ……」


 そういうと同時に、『ひょっとしたら……ここで殺られるかもしれない』と、頭の中で考えていた。それでも、そう考えてしまっても尚。

『この場所から離れる』
『この場所から逃げる』
 
 それらの選択肢は……、彼には一切無かったようだ。


 そして、ゆっくりと視線を奥へと向けた。もう、破壊する音は聞こえない。……設置した数の分だけ、鳴り終えていたから。



「………誰?」



 奥に気配も感じた。だからこそ、彼は身構えながら、そう言っていた。

 そう、もう来ていた。……ギルドNo,1の魔導師が。











 














 岩を次々と破壊をしていたギルダーツだったが、幾ら破壊の魔法を得意としているギルダーツでも、いい加減岩はもう鬱陶しい。そろそろうんざりだ。と考えていた時だ。



「…………誰?」



 奥から、子供のものと思われる声が聞こえてきた。どうやら、道は合っていたようだ。


「よぉ……」

 
 ギルダーツが視線を向けた先。自然で出来た岩のアーチを潜った先。その場所は結構開けた場所だった。そこには、依頼の内容通り子供がいた。

 ギルドのガキと同じくらい、目算出来る年齢だ。

 正面から、子供を見据えたギルダーツは、ゆっくりと歩き、足を止めた。

「……お前さんに会いにきたんだ」

 ギルダーツはそう聞いた。

「……なんで?」

 子供は、聞き返した。この場所にくる理由が知りたかったから。……詳しく。だが、考えられる理由は決して多くはない。

「……オレが追い返した連中の差し金?」

 この場所を知っている者であり、それは追い返してきた連中が呼んできた。その理由が 高確率で、当たっているだろうと思える。

「ははっ……察しがいいな。まあ、否定はしないさ。ただ……」

 ギルダーツは、その言葉を訊いて笑っていた。頭の回転の速さにも驚いた様子だった。

「オレ自身が、お前さんに興味が沸いた……。ってのもあるんだぜ?」
「……そう、でも、オレはアンタに興味ない。悪いけど帰ってもらえる? 何を言われても、オレはこの場所から動くつもりないから……、帰って その連中にも伝えてよ。無駄だって」
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