第1話 出会い
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? 別に構わねぇぜ。肩透かしだったしな。今回の仕事は』
笑いながらそう言うギルダーツ。彼がする仕事は、一流の魔導師でも成功率の低いものであり、様々なギルドに転々としてきた依頼書の1つであり、その高難易度の仕事を《S級依頼》と読呼んでいる。それを『肩透かし』と言ってのける程の実力がある魔導師なのである。
『そうか。悪いのぉ』
『構わねぇって。で、依頼の内容は何なんだ?』
『保護を頼みたい』
『ああ。判っ……って、保護ぉ?』
そのマスターの言葉を訊いて、ギルダーツ目を丸くさせた。
高難易度と呼ばれる所以の依頼は、大小問わず、大体が討伐依頼だったりする。或いは、高度魔法の解除と言ったもので、強大な力を持つ魔導師でなければ、解決不能とさえ呼ばれている物なのだ。
だからこそ、《保護》と言う言葉に少なからず驚いた。
『なんだ? 暴れまわっているモンスターの保護、だったりすんのか?』
勿論、例外は存在する。
それは、絶滅危惧種に分類されるモンスター達の存在だ。凶悪モンスターの討伐依頼も当然ながら、あるのだが、その中で質の悪い事で有名なのが、捕獲の依頼だ。始末するだけでなく、五体満足の状態で捕まえなければならないから、神経を使うと言うのが一番の理由である。
『うぅ〜む。言い得て妙、じゃが違う。……子供の保護じゃ。人間の、の』
『……はぁ? 子供?』
『ま、驚くのも無理ないが、聞いとくれ。ちと厄介と言った意味が判る筈じゃ』
マスターは、ちょいちょい、と手を振って座るのを催促した。
座って訊いてみたギルダーツ。
話はこうだ。つい先日の事、マグノリアの外れの場所にて、魔法評議会が保有する《魔力感知魔水晶》が強く感知したとの事だった。誤作動の可能性があるのだが、万が一の事を考えて、直ぐに捜索隊を編成し 派遣した。
その魔力の発生地点へと趣いてみると……。
『そこに、ガキがいた、と』
『うむ……。そうなんじゃ。ただ、それだけなら 問題ないんじゃが……。なんというか、そのガキは 評議会の連中を、追い返したそうなんじゃ。……結構強硬手段使っての』
『……ガキが大人をか?』
『うむ。評議会のメンツや、その捜索隊のメンツもあったんじゃろうな。色々と突っかかっていった様じゃが……、尽く返り打ち。それも 手酷く、な』
『まさかだが、殺っちまった……なんて事はねぇよな?』
『なら、保護依頼でなく、討伐依頼が来るわい。それは無い。……ただ、内密に 迅速に措置を、と言われたんじゃよ。……ったく、ええ大人がガキ相手に情けないのぉ……』
今回の依頼、仕事とは言え 受ける側も複雑、と言えばそうなのだ。
ギルドに所属する魔導師達は、皆マスターにと
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