第十二話 『生きるためには』
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っていく。
「わ、分かった。気をつけて」
「そっちもな」
この発電機は、ちょっと癖があるものだから、専門の人間くらいしかこれは動かせない。え?俺?……まあ、例外ってことで……うん、気にしたら負けだよ。
何てことはどうでもいい。まずはこいつを動かすとこだ。そう思い、発電機のレバーにてをかける。
「よし……せーのっ!」
力いっぱいレバーを引くと、モーターの回転音が、部屋いっぱいに響き渡った。向こうで、直哉の「ひっ……!」ってな声が聞こえた気がするが、とりあえず触れないでおく。
「零斗、こちら陵太。発電機を起動させた。そっちの状況はどうだ?」
………応答がない。
「零斗!聞こえないのか?」
………それでも返答は帰ってこない。何かあったのか…?
「佐伯!陵太だ!そっちの状況を……」
と言いかけて、無線の向こうの声が、こちらを遮るようにして応答した。
「陵太君!零斗君たちが『奴等』に襲われてる!こっちでモニターしてる限り、『奴等』エレベーターから流れ込むようにして出てきたよ!」
エレベーターから!?どういうことだ……まさか……動力をいれたことで、バリケードになっていた扉が開いて、『奴等』が出てきたってのか……クソッ……何で気がつかなかったんだ……零斗……無事でいてくれ!
ーーーー零斗サイド
「優衣架!左から3匹追加だ!」
片腕のない男の首をネジ切りながら、楽しそうな優衣架に向けてそう叫ぶ。
「はいはーい!ヤッホー元気?」
等と言いながら、『奴等』の群れに飛び込んでいく。ずいぶんと楽しそうだが、左回し蹴りで顎を砕いている時点で、俺の顔に浮かぶのは苦笑いだけだ。
おっと、こっちにもお二人来店だ。
廊下に置きっぱのキャスター付きベッドを蹴り飛ばし、一匹に当てて牽制をいれる。そしてもう一匹の方に向かって走りだし、壁を蹴って飛び上がる。首に両足をはさんで、バク転するように後ろに跳ねのび、首をへし折る。一丁上がりだ。
「優衣架!こいつらとっとと潰して、陵太達のところに合流するぞ!」
「りょーーかい!」
ーーーー同時刻 神河北駐屯地化学兵器実験場
北神河市の地下に広がる、巨大な実験施設。白を基調に作られたそれは、自衛隊の戦略化学兵器の臨床試験を行うための施設だ。常に、50名以上の隊員が防衛に当たっており、ここの警備を無力化するのには、並みの戦力では絶対に不可能だろう。
「隊長、自衛隊の危機対策チームが、こちらに部隊を派遣するそうです」
戦闘服を着た男がそう言うと、テーブルで紅茶を片手に黒ハットの男がそれに応じた。
「ふむふむ、とうとう気づかれちゃったか。まあいいさ、なら、そこに並んでる宝物を、ひとつ使ってみてはどうだね
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