第十七話 梅雨ですその八
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「何か。駄目なのよ」
「生地が合わないとか?」
「違うのよ」
私が言うのはそれではありませんでした。別の理由です。6
「じゃあ何よ」
「体型が」
これなんです。
「胸だって小さいしお尻だって」
「そうかしら」
けれど彼女は私にこう言われてもあまり納得した感じはありませんでした。それどころか少し首を捻って私に言ってきました。
「ちっち別にスタイル悪くないわよ」
「そうかしら」
「そうよ」
また私に対して言います。
「胸だって。別に」
「小さいけれど」
「だから。気にし過ぎなのよ」
「違うわよ」
「だから。よく聞きなさい」
逆にこう言われました。
「ちっちって胸もお尻も普通よ」
「センチはあれなんだけれど」
「だから。それは背丈にも関係あるのよ」
ここでまた。私が一番気にしていることが出ました。
「背丈に?」
「ちっち小さいじゃない」
「うう・・・・・・」
言われて落ち込みました。本当に小さくて困っていますから。せめてもの御願いはあとちょっとだけ伸びることです。滅茶苦茶小柄から普通の小柄になりたいんです。
「それは言わないでよ」
「言わないでって言われてもこれが前提なんだし」
「前提?」
「そうよ。胸やお尻の大きさって背に比例するのよ」
「そうだったの」
「そうだったのって」
彼女は私の今の言葉を聞いて呆れた顔になります。それからまた言ってきました。
「当たり前じゃない。そんなの」
「当たり前なの」
「背が大きければ胸も大きいと目立つし小さいと逆よ」
「つまり背が小さいと」
「そういうこと。わかったわね」
「ええ」
何となくですけれど。それは。
「そういうことなのね」
「そもそもね」
また言われました。
「小さくても小さいなりにいいのよ」
「それって詭弁よ」
「詭弁じゃないわよ」
はっきりと言い返されました。
「胸やお尻が大きいからいいっていうわけじゃないのよ」
「そうかしら」
「そうかしらって。そうじゃない」
呆れたように言われました。
「はっきり言うけれどちっちスタイル悪くないわよ」
「そう?」
そう言われても。実感が沸きません。これはどうしても。
「だから。大きいだけが問題じゃないのよ」
「だといいけれど」
「まあ。あれよ」
「あれ?」
「小柄なのは気にしないことね」
「言われたら気にするわよ」
それを言われると余計に。それだけは言わないで欲しいんです。自分でも凄く気にしていますから。とにかく背が伸びないことはどうしようもありません。
「努力してるんだけれど」
「色々なところに努力してるのね」
「そうかしら」
それもまた実感ないです。そうでしょうか。
「あと。ちっち」
「今度は何?」
「大
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