エクリプス計画
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よ?」
ルーシィさんと俺がそう言う。アルカディオスさんは城の中を歩きながらこちらを見ずに答える。
「大鴉の尻尾の依頼としたのはこの極秘任務を外部に漏らさないようにするためだ。
もちろん危害を加えるつもりはなかった。だが、いささか強引な策に走ってしまった。あの時は早急に星霊魔導士が必要と思い込み、判断を誤った。申し訳ない」
謝罪の気持ちはあるらしく、前を向いたまま軽く頭を下げるアルカディオスさん。どうにもナツさんとルーシィさんは納得いかないような顔をしているけど、それもしょうがないことだと思う。
「大魔闘演舞は魔導士たちの魔力を大量に接収するためのカモフラージュだった」
「毎年魔導士たちから魔力を奪っていたのかよ・・・」
「カモフラージュだなんて!!」
「ひどい話ね」
「汚ねぇな」
「全くだ」
「うんうん!!」
アルカディオスさんから大魔闘演舞が開催されている真実の理由を聞かされ、グレイさんたちは口々にそう言う。
「なんと言ってもらっても構わんよ。すべてはある計画のためにやったこと」
アルカディオスさんはそう言うと目的地についたのか、足を止める。俺たちは彼に並ぶように前に出ると、目の前にそびえ立つあるものに言葉をなくしている。
「何・・・」
「これ・・・」
ウェンディと俺がその巨大な門のようなものが何なのかわからず、アルカディオスさんに質問する。
「世界を変える扉『エクリプス』。これの建造のため大量の魔力が必要だった」
「扉?」
「なんだこりゃ」
「世界を変えるって?」
アルカディオスさんの説明ではイマイチピンと来なかった俺たちはそう言う。アルカディオスさんはようやく俺たちの方を振り向いて話始める。
「太陽と月が交差する時、十二の鍵を用いてその扉を開け。扉を開けば時の中、400年の時を渡り不死となる前のゼレフを討つ。それこそがエクリプス計画」
あまりの壮大な作戦に俺たちは動揺を隠しきれず、ただただ押し黙ることしかできない。
「と・・・時を・・・渡る?」
どうやったらそんなことができるのか、ルーシィさんだけでなく俺たちも意味がわからずにいるとユキノさんがその点の説明をしてくれる。
「ルーシィ様、星霊界はこの世界と時間の流れが違うと聞きます」
「そういえばそうだったけど・・・」
こっちの世界の3ヶ月が向こうでは1日なんだったよな。おかげて大魔闘演舞直前なのに修行が全然できないって言う悲劇が起きてしまったよ。
「その星霊界独自の次元境界線を利用し、星霊魔導士の力でこの扉を開くのです」
「当初の計画では星霊魔導士は擬似的な魔力で代用できる予定だった。だが、本物の星霊魔導士と十二の鍵があれば計画はより完璧なものとなる。
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