暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生の水族館
第十二幕その五

[8]前話 [2]次話
「誰に対してもな」
「そうなんだね」
「そうだ、先生でなくてもだ」
「成程ね」
「では明日もな」
「お邪魔させてもらうよ」 
 お別れの時にこう挨拶をしてでした、そして。
 そのうえでなのでした、先生はお家に帰ってです。
 晩御飯を食べてお風呂に入って次の日も皆でグソクムシさんのところに行って調べました。そうしたことをしてでした。
 それが終わってからです、先生はグソクムシさんに深々と頭を下げて言いました。
「有り難う」
「終わったか」
「これでね」
「充分調べられたか」
「お陰でね」
「ならいい」 
 これがグソクムシさんのォ返事でした。
「先生が満足しているのならな」
「そう言ってくれるんだね」
「俺はずっとここにいただけだ」 
 ただそれだけだというのです。
「何もしていない」
「そうなんだ」
「そう、だからだ」
 それでというのです。
「先生は気にしないでくれ」
「いや、けれどね」
「先生にしてはだな」
「君のことを調べさせてくれてしかも不満一つ言わなかったから」
 だからというのです。
「とても感謝しているよ」
「そうか」
「うん、それじゃあまた機会があれば」
「来てくれ」
「その時にね」
 こうお礼の挨拶をしてでした、そのうえで。
 先生はご自身の研究室に戻りました、その時にです。
 オシツオサレツがです、先生に言ってきました。
「研究室に帰ったら」
「それからだね」
「論文書くんだね」
「ダイオウグソクムシさんについて」
「うん、そのつもりだよ」
 先生はオシツオサレツに笑顔で答えました。
「これからね」
「他にも論文書いてなかった?」
 ガブガブは先生にこう尋ねました。
「数学か何かの」
「ああ、数学の論文だね」
 先生も言われてです、ガブガブに応えました。実は先生は数学者でもありそちらの論文を書くこともあるのです。
「もう書いたよ」
「相変わらず書くの速いわね」
 ダブダブは先生のそのお言葉を聞いて言いました。
「調べるのも速いけれど」
「論文は学生時代から書いてるからね」
 だからと答えた先生でした。
「それに日本に来てからいつも書いてるから」
「いつも書いてるだけにだね」
 トートーも言います。
「余計に速くなったんだね」
「調べることもね」
 トートーにも応えた先生でした。
「速いって言われるね」
「先生って走ったら凄い遅いけれど」
 すばしっこさには定評のあるホワイティから見れば余計にです。
「学問については凄いね」
「好きなせいかな」
 先生はこのことに理由を求めました。
「好きでいつもしているからね」
「いやいや、先生はそっちの才能が元々凄いのよ」 
 ポリネシアはこう先生に述べました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ