9部分:第九章
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第九章
「クルーザーもチャーターしたかいが」
「おかげで大成功に終わったわい」
博士は兄弟に礼を述べた。
「本当に何もかもが上手くいった冒険じゃったわ」
「そうですね」
パンチョもまた真っ赤な顔で言うのだった。
「河賊も出なかったですし」
「そうじゃな・・・・・・いや」
ここでだった。今のパンチョの言葉にふと気付いた博士であった。
「今河賊と言ったのう」
「ええ、そうですよ」
「今誰が見張りをしておるのじゃ?」
不意にこのことを言う博士であった。
「今はじゃ。誰がじゃ?」
「あっ、そういえば」
「皆ここにいますね」
ドウモト兄弟もいる。船に乗っている全員がここに集まっている。
「四人全員」
「欠員なしで」
「ということは」
ここであることに気付いたパンチョであった。
「今見張りはいないんですね」
「すいません、ちょっと外に出て来ます」
それに気付いたドウモト兄がすぐに立った。そのうえで甲板のところに出た。
この時は仕方ないな、で終わった。残る三人はまた飲みなおす。ところがすぐにそのドウモト兄が血相を変えて船の中に戻って来たのである。
「た、大変です!」
「どうしたのじゃ?一体」
「兄貴、何かあったのかい?」
「あるからここに来たんだよ」
まずは弟にこう返したのだった。
「だからなんだよ」
「何かって一体」
「河賊だよ!」
それが出て来たというのである。
「河賊がだよ。出て来たんだよ!」
「河賊がって。大変じゃないか!」
「だからだよ。何とかしないと!」
「じゅ、銃を持って出ましょうよ」
パンチョは慌てながらもこう言った。
「それで撃退しないと」
「そうじゃな。銃じゃ」
博士だけが冷静であった。まるで何ともないようにである。
「銃は何処じゃ?この辺りにあったと覚えておるが」
「はい、そこです」
すぐに部屋の隅を指差したドウモト兄だった。見ればそこにライフルや散弾銃、ピストル、そうしたものが色々と置かれてあった。
「それを使って下さい」
「よし、では行こう」
博士はここまで話を聞くとすくっと立ち上がったのだった。
そうしてだった。散弾銃を持って甲板に向かう。皆その彼を見てそれぞれ銃を持って甲板に出る。
甲板に出ると闇夜の中に罵声が聞こえる。その罵声こそがであった。
「止まれ!」
「止まらないと殺すぞ!」
「あるもの全て置いていけ!」
「そうすれば命は助けてやる!」
「戯言を言うでないわ!」
こう言ってだった。早速手に持っている散弾銃をその声がした方に放つ彼だった。
「うわっ!」
「いきなり撃って来たってのかよ!」
「どのみちわし等を皆殺しにするつもりであろう。もうわかっておることよ」
「何でわかるんですか
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