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逆さの砂時計
孤独を歌う者 1
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よく解らないけど、これだけはハッキリ言える)


「自分の言動にすら責任を持てないヤツが、後先考えずにピーチクパーチク騒ぎ立ててんじゃねーよ! 鬱陶しい!」


(死ねば良かった。だよな、私だってそう思う。私は元々、下町で泥棒して喧嘩して、一日一日を生き延びる為に必死だっただけなのに。私達のせいで世界をまるごと狂わせてたとか、どんだけ苦しまなきゃいけないんだよ? 考えるのも嫌になる。泣き喚いて後悔するフリで現実逃避してるお前より、こっちのほうがよっぽど泣きてぇっつーの!)

「事実は事実として、諦めて受け入れろ。死んだヤツは、絶対に戻らない。生まれ変わりなんてものは無い。諦めろ。諦めて認めて、背負って。もっとちゃんと生きろよ、レゾネクト」
「ロザリア!? ダメ……っ」
「にょにゃににゃ! みゅみょういにみみゃみゅみゅにぇにゃいっ!」
「ロザリア!!」

 慌てて私の腕を引く幼女と何かを「気にするな」と言いつつ避けて。
 レゾネクトに歩み寄る。
 ベゼドラの声は完全無視。

 ……クロスツェルも気付いてるのか?
 私の中に送り込まれた魂は、ほとんど何も知らないみたいだったけど。
 レゾネクトの中で眠らされてたほうの魂が何かを知ったのか。
 胡散臭い神父の顔で、私の横に並び立った。

「アルフリードとやらを産むつもりはない。お前が、どうしても寂しいって言うんなら、私達が遊んでやるよ。殺し合いとか、そっち方面は断るがな。私はもう、誰かが死ぬのはまっぴらごめんなんでね。人間の世界には、体を酷使する運動競技ってのが出来てるんだ。そういうので気分転換でもしろ。そのくらいなら、いくらでも付き合ってやるから」

 私が右手を差し出せば

「それか、私達と一緒に、のんびりと長旅でもしてみませんか? 一人では見つからなかった面白いものが、まだまだたくさんあるかも知れませんよ。一人分の視界では世界はあまりにも広すぎて、逆に小さく感じ取ってしまうこともよくある話です。見逃したままだとしたら勿体ないと思いません?」

 クロスツェルが左手を差し出す。
 レゾネクトは無表情のまま、私とクロスツェルをじっと見上げる。
 何かしようとするでもなく、ただ見てる。

 本当、マジで面倒くさくて、しょうもない親父だけどさ。
 放っとくのも、なんかこう……違うだろ?

「来いよ。虚と実と、その返し手
『創造神を映した『鏡』』、レゾネクト」



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