孤独を歌う者 1
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ら!
私が世界を無駄に苦しめ追い詰めて壊して壊して壊して奪ってしまった!
人間もクロスツェルの国もレスターの家族も全部、全部私が狂わせた!
村の皆が殺されたあの日に私も死んでいれば、それで済んだのに……っ!
「はっ。ざまぁねぇな? アリア」
「アリア? …………いや、ロザリアか?」
意識の中で、クロスツェルに肩を支えられながら。
アリアは音にならない声で泣き喚いてる。
頭を掻き、頬を掻き、自分が死ねば良かったんだと。
どこかのバカ男みたいなことを本気で思いながら、泣き叫んでる。
くだらない。
本当に、くだらない。
「確認するぞ、レゾネクト。お前はアリアと私の父親ってヤツで、あっちの床に転がってる薄着の女が母親とかいうヤツなんだな?」
「……ああ、そうだ。お前達は確かに、俺とマリアの血と力を継いでいる」
細長い指先が、うつむく私の顎の輪郭をするりとなぞる。
「そうか。分かった」
気持ち悪い手だ。
クロスツェルの教会で馴れ馴れしく肩を抱いてきやがった腕と同じ。
心底……、本当に……
くだらない!
「お前らマジでいい加減にしやがれ!! ロクデナシの腐れ外道共がぁあ!!」
レゾネクトの腕を全力で払い除け。
睨みつけながら飛び下りて、距離を置いた。
翼を全開にして、薄い緑色に光る室内を更に明るく照らす。
「どいつもこいつも、大概にしろ! 私もアリアも便利な道具じゃねえ! 飾って楽しむ人形じゃねぇんだ! 自分の意思を持って自分の考えを持って自分の願いを持ってる個人なんだよ! そんなに欲しけりゃまずは身勝手な欲望を一方的に押し付ける考え方を改めてから顔を洗って出直してこい! 出直してきたって、ガキなんざ誰が相手だろうと絶対に産まねーけどな! お前ら全員、股間のソレをぶつ切りにしてしまえ!!」
「……さすがにそこまで言われると、ちょっと怖いです、ロザリア……」
時間を止めていたクロスツェルの体が すぅ……と目蓋を開いて。
寝起きよろしく、ゆっくり立ち上がる。
離れた所で片膝を突いてる女神が、ぎょっと目を丸くした。
「怖い? 知るか! 嫌ならてめぇの行動をよおーく思い返して、誠心誠意私に償え! お前は、生きてる限り毎日往復平手打ち千発と、死ぬまでの間ずっと炊事係で勘弁してやる! ただし! 体調不良での欠勤は認めん!!」
「貴女の手のほうが辛そうですけどね。謹んでお受けしましょう」
くすくす笑ってんじゃねぇよ!
腹立つ!
「欲しいもんを欲しいと言って、何が悪い」
ベゼドラがムスッとした顔で起き上がるのを見て。
何かに気付いたのか、女神も一つ頷いて立ち上がる。
「悪くはねぇよ。私だって、
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