トリップ一年目
第二章 正隊員までの道のり
第三話 みかんというC級
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜東side〜
ホットコーヒーが紙コップに入るのを眺める。
今日は楽しかったな。
真木ちゃんは隣の的に狙撃しちゃうし、
みかんちゃんはいい成績が出たらしい。
みかんちゃんは知らないけど、
真木ちゃんは集中力がしっかりしている。
集中しすぎて周りを見ないことが多いけど、
あれはA級になれると確信した。
ただ・・・不安定な精神で感情が顔に出やすい。
周りに流されやすいタイプか・・・
「なぁ、今日入ったC級の女がヤバイらしいぞ!」
「13秒のやつか?」
「1000からはじめてもう3000らしいぞ」
・・・・・・!?
あ、コーヒーふいた。
ハンカチハンカチ・・・
今日入隊してすでに3000!?
攻撃手史上初の初日昇格・・・
待てよ・・・?
みかんちゃんは休憩をとっていない可能性が・・・
ご飯すら食べてないことになる。
それはまずいな。
ランク戦ブースに行くと、
ソファーをひとつ占領し、寝ているみかんがいた。
無防備だ。
「・・・どなたか存じませんが、今、何時ですか」
「23時だ。トリオン体でも休憩は必要だ。
体も脳も疲れてるだろ?」
「・・・!?」
何か驚いたのか、みかんは跳ね起きた。
丸くなった目をこちらに向けて、大声を出す。
「えぇぇ〜!?東さん!?
気づかなかった・・・私、寝てたのかな」
「その様子だと休んでないな。
おかしいはずだ。いきなり3000ポイントなんて・・・
それにしてもよく勝てた」
「攻撃手は相手の目線と体勢から攻撃は先読みできます。
ドッチボール・・・ボールを避けるのは得意なんですよ。
目線と体勢からボールの軌道わかるし。」
・・・解説してくれてありがとう。
はじめに会ったときはキツイ性格かと思ったが、
どうやら根は真面目で律儀な子らしい。
真木ちゃんと仲良くできるのは、相性がいいからか。
確かに真木ちゃんは真面目で律儀だけど何か欠けてるからな〜
「・・・休むのはいいですけど、
東さん、迅さんに私達の面倒を見てくれって言われてません?
なら不愉快だな〜」
・・・・・・
いや、真木ちゃんと仲良くなれたのは・・・
「みかんちゃんは、頭がいいな。
よくわかったね」
「別に。東さんと迅さん、太刀川さんの立場で考えただけです」
太刀川まで入れたか。
迅が何を言ったのか、予想はついてそうだな。
「みかんちゃんは水平思考か。
女性は水平思考寄りだからね」
みかんは不愉快そうに見てくる。
よく知ってるな〜水平思考は詐欺師の思考。
だからいい顔をしなかったみかん。
真木ちゃんは受け身だが、彼女は真逆か。
「それより東さん、お腹すきました」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ