7部分:第七章
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第七章
「あれはじゃ」
「蛇の頭ですかね」
今は確信がなかったので言葉もはっきりしないパンチョだった。
「あれは」
「蛇の頭とすると」
ドウモトもそれを見ながら言った。
「結構、いえかなり」
「大きいですよね」
「そうですね。相当ですね」
まさにそれだけだとパンチョに言葉を返す。河の中にあるそれを見ながら。
「ちょっと近寄ってみますか?」
「うむ、そうしてくれ」
博士がドウモトの今の言葉に応えた。
「是非な」
「わかりました。それじゃあ」
こうしてそちらに向かった。するとそこにいたのは。
「えっ、あれって」
「うむ、そのあれじゃな」
「そうですよね、あれですよね」
あれが何かはお互い言うまでもなかった。
「まさか本当に見つかるとはじゃ」
「思っていなかったんですか?」
「信じておった」
思っていたのではなく信じていたというのである。
「わしの思い通りになるというのはな」
「それを信じていたんですか」
蛇が見つかるかではなく自分の思い通りになるということを信じていたというのである。この辺りはまさにドン=キホーテであると言える。
「何かそれって」
「しかしあれは大蛇じゃ」
もうこのことを誇らしげに言ってきていた。
「さて、あとはじゃ」
「あれの近くに行ってですね」
「うむ」
「気をつけて下さいよ」
ここでドウモト兄が二人に言ってきた。
「アナコンダは比較的大人しい蛇ですけれどね」
「それでもですね」
「ええ。あれはどう見て十メートルを超えています」
幾ら大人しくともその大きさが問題だというのである。
「だからじゃ。よいな」
「はい、わかりました」
パンチョが彼の言葉に頷いた。
「それじゃあそういうふうに」
「銃で撃つことはあるまい」
博士はそれは考えから捨てていた。
「そこまで大きくなった蛇を撃つのも損失じゃ」
「損失なんですか?」
「そうじゃ。十メートルを超えることは少ない」
個体差ということである。幾らアナコンダといえどそこまでの大きさになる個体は少ないのである。もっと言えば二十メートルは実際のところ伝説とさえ言われている。博士達はその伝説とされているものを探し出しにここに来ているとしてもである。
「そんなものを撃ってはいかん」
「けれど危ない場合はどうするんですか?」
「殺す必要はない」
あくまでこう言うのである。
「驚かすだけでよいのじゃ」
「驚かすのですか」
「発炎筒があるじゃろ」
そしてこれを話に出すのであった。
「あれを使うぞ」
「ああ、火ですね」
ここでパンチョも彼が何を考えているのかわかった。それで驚かせて下がらせるというのである。動物が火を怖がるという習性を利用するというのだ。
「そ
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