アインクラッド編
龍皇の遺産
戦慄の記憶 02
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、もう、話しを戻すわよ?」
「あ、うん。 お願いします」
「雪丸の強化素材をどうするかって言う話しだったでしょ。 あんたの相棒のことなんだからちゃんと聞いときなさいよね」
「あはは、面目無い。 まあ、強化素材の方はなんとかなるよ。 アルゴさんから情報を貰ったしね。 大型モンスター討伐系のクエストもあるらしいから一石二鳥なのです。 今日はディオ・モルティーギの慣らしをしないとだから、行くのは明日以降になるけどね」
「一石二鳥?」
事情を知らないらしいリズさんは首を傾げる。
「クエストボスにトドメをさせなかったからアマリが拗ねてるんだよ。 だから、大型モンスターの討伐でご機嫌取りでもしようかなーって」
「相変わらずね。 じゃあ、明日の攻略は休むつもりなの?」
「クエストが終わったら迷宮区でも暴れるですよー。 明日は質と量を両取りの欲張りデートなのです」
「ずいぶん物騒なデートがあったもんね。 ま、あんたたちなら大丈夫だと思うけど、気をつけなさいよね」
「分かってるよ。 ありがとね。 心配してくれて」
ニッコリと笑いかけると、リズさんは顔を赤らめてそっぽを向く。
こう言う照れ屋なところはアマリにも僕にもないリズさんの美点だ。 素直に羨ましいと思う。
それからお客さんが来るまで僕とアマリとリズさんは笑いながら色々な話しをした。
そして、現在。
リズさんのお店にお客さんが来たのをいいタイミングとして、僕たちはリズベット武具店を後にした。
特にあてがあるわけではないけど、適当なフロアでディオ・モルティーギの慣らし運転をしようと転移門に向かう途中で、それまでいつも通りの馬鹿話をしていたアマリが突然、柄にもなく真剣な調子で言う。
「ねえ、フォラスくん。 リズ姉様と話してた時、ホントは何を考えてたですか?」
「ん? んー、そうだね。 アマリには言っておかないとだよね」
変なところで勘のいい相棒に苦笑してから、僕もまた真剣な表情になる。
「ラフコフが動いてるらしい」
「…………っ!」
「具体的な話しは聞かなかったし、明確な証拠もない情報だけど、あのアルゴさんが不確定情報を僕に言うとは思えない。 だから、彼らが動いてるのは間違いないだろうね」
言って、僕は顔を前に固定したまま動かさない。
街を行き交う人。 長閑で落ち着いた街並み。 平和そのもののリンダースを歩きながら、僕は続けた。
「別に彼らが何をしていようと構わないんだ。 僕らの関係ないところで何をしようと、そんなのはどうだっていい。 でも、もしも僕の前に現れて、僕の今を侵そうって言うのなら、その時は容赦しないだろうね。 僕は僕のために雪丸を振るう。 その結
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