4部分:第四章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第四章
その夜に。灯りのついたクルーザーの中でドウモトが二人に対して話す。ビンガというサトウキビから作ったやけにアルコールの強い酒を飲みながら話すのであった。
「その巨大なアナコンダの話はやっぱり」
「知っておるよ」
「私もです」
こう応える二人であった。クルーザーの席に三人で座って話をしている。やはり二人もビンガを飲んでいる。それと一緒に晩飯も食べている。肉を焼いてそれを口にしている。
「二十メートルを超えるのう」
「それですよね」
「はい、例えばですね」
そのアナコンダの話をはじめるドウモトであった。その話は。
「夜にこうやって進んでいるとですね」
「うん」
「その時に出て来たんですか」
「船の横にやけに大きなのが横切ったんですよ」
それが一体何なのかすぐにわかる話だった。二人はその話を聞いていく。
「前にやけに光るのが二つあって何かって思ったらそれが目で」
「つまりそれがアナコンダの目だったんじゃな」
「はい、そうです」
そういうことだったのである。その舟の横を泳いでいるアナコンダが横切ったということである。
「その船もこのクルーザー程の大きさだったそうですがそれと同じ位だったそうで」
「それじゃああれですね」
パンチョは焼いた肉を食べながらドウモトの言葉に問う。ここでも肉を大量に食べている彼であった。
「そのアナコンダはやっぱり」
「相当な大きさですね。このクルーザーが二十メートルですから」
つまりそれだけの大きさがあるというのである。
「どう思いますか?この話」
「聞いているだけでわくわくするわ」
博士は実際にその目を輝かせている。やはり少年の目である。
「それを今からいるかどうかはっきりさせるのじゃからな」
「けれどいいんですか?」
ドウモトはビンガを飲みながら怖い話をする前の顔になってその博士に問うてみせてきた。
「食べられるかも知れませんよ」
「食われるというのか」
「そうですよ。結構そういう話もあるじゃないですか」
彼はさらに話す。
「大蛇が人間をぺろりっていうのは」
「ちょっと、驚かさないで下さいよ」
その話を聞いてパンチョは少し怯えた。
「ぺろりだなんて」
「けれど本当にあるのは御存知ですよね」
「ええ」
それは彼も否定できなかった。大蛇が人間を丸ごと飲み込んで食べてしまうという話もそれこそアマゾンに非常によく伝わっている話だからである。
だからこそだった。その話を聞いて怖いものがあった。話を聞いていて自分も実際に大蛇に食べられるのではと想像してしまうのだ。
「それはもう」
「まあこの船にいたら大丈夫ですよ」
しかしここでドウモトは顔を崩してこう言ってきた。
「銃もありますし」
「ピストルに猟銃にショットガンに
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ