Fate/stay night
1168話
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き……そうして、桜に触れるか触れないかといった時になり……
『分かった……マキリ・ゾォルケンの名に於いて、今後桜に対して一般的な意味で危害を加えるような事はせぬし、話し掛けるような真似もせず、心臓の中でただじっとしている事を誓う』
苦渋の選択。そうとしか表現出来ないような、悔しげな言葉で、臓硯はそう告げる。
その瞬間、鵬法璽が鋭い光を放ち……こうして、契約は完了した。
「……どうだ? お前はもう臓硯の影響下にはない筈だが」
踞っている桜に向けて尋ねるが、それに戻ってくる声はない。
うん? どうしたんだ?
何かミスったか?
そんな思いを抱きつつ、踞っている桜の顔を覗き込むと……
「うう……ぐすっ、ぐすっ……」
泣いていた。
ただ、その表情に浮かんでいるのは悲しみではない。
見て分かる程に嬉しそうな笑みを浮かべながら涙を流しているのが分かる。
……この桜をどうにかするのは俺の役目じゃない、か。
「衛宮、この光景を見てるんだろ? さっさとこっちに来て、慰めてやれ」
空中に向かって、そう告げる。
イリヤが水晶玉でこちらの様子を見ている以上は、衛宮も当然この光景を見ているのは間違いないだろう。
そう思って告げてから十数秒。
ドタドタドタ、と廊下を走る音が聞こえてきた。
誰が走ってきているのかは、考えるまでもない。
「桜!」
そう叫びながら居間へと入って来たのは、当然の如く衛宮だった。
「先輩……先輩……」
俺の真横を通り過ぎて桜の下へと駆け寄る衛宮をそのままに、俺は居間を出て取りあえず道場へと向かう。
その際に、衛宮がしっかりと桜を抱きしめているのを見て……真アサシンが出て来たり、臓硯が表に出て来た事から、この世界の衛宮は桜ルートの影響が強いんだろうと判断するのだった。
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