Fate/stay night
1168話
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そんな事を考えている俺の視線の先では、鳥の炎獣が蟲を相手にして蹂躙としか呼べない戦いを繰り広げていた。
元々、炎獣は俺の魔力によって生み出された白炎を使って生み出されたものだ。
それだけに、純粋な炎の威力としてはこのFate世界の魔術師が生み出す蟲程度でどうにかなる筈もない。
それこそ俺をどうにかしたいのであれば、サーヴァントを連れてくるしかない。
悔しげな呻き声。
桜の身体としても、臓硯が暴れているのはキツイのだろう。桜本人は苦しげにその豊満な胸を押さえている。
「どうした? そんな状況で俺をどうにか出来ると思っているのか? お前が得意としている蟲に関しても、大分数が減ってきているぞ?」
その言葉通り、俺の視線の先に姿を現している蟲はもう殆ど残ってはいない。
残っている数少ない蟲にしても、次々に鳥の炎獣により焼き滅ぼされている。
さて……どうする? このまま大人しく死を選ぶか?
いや、死にたくないとここまで生き延びてきた奴だ。
本来の身体を失い、自分の身体を蟲とし、桜の心臓の内側に入り込んでまで。
確か昔は高い志を持っていたとかいう話だったと思うが、それも結局は既にない、ただ生きる事だけにしがみつく妄執と化した存在。
哀れだとは思うし、長き時を生きるという意味では俺の先輩という存在でもある。
反面教師という意味ではありがたい存在でもあったな。
「ほら、どうした? お前がどうにか出来る手札はもうないのか? ……お得意の蟲も、残りはもう少ないぞ?」
鳥の炎獣によって蹂躙された蟲の生き残りは、既に10匹を切っている。
このままでは、間違いなく自分には打つ手がない。
そう思いつつ、臓硯にとっては負けを認める事も出来ない。
……さて。
そうして、蟲の最後の一匹が焼き殺されたところで……再び俺は口を開く。
「さて、そろそろお前の長き生も終わりの時間だ。……準備はいいか? スライム」
指を鳴らすと、空間倉庫からスライムの触手が伸びてくる。
このスライムを人の目には出来ない程細くし、桜の血管を辿って心臓の内部へと届ける。
後はその内部にいる臓硯を殺してそのまま死体を空間倉庫の中に収納すれば、臓硯の問題は解決だ。
死ぬ以外の臓硯の道としては、ただ1つ……
『待て、待ってくれ!』
数秒前までの憎悪に満ちた声から一転、焦ったように告げる声が聞こえてくる。
……正直、今更だが臓硯はどうやって声を出してるんだ?
桜の口から出ている声じゃないし、多分蟲を使って声を出してるんだろうが……
ともあれ、スライムの触手は桜まで後1m程の位置でその動きを止める。
「どうしたんだ? お前としてはここで俺に負ける訳にはいかないんだろう? もう少
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