原作開始前
EP.4 模擬戦 VS 妖精の尻尾
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条のようにして起き上がる勢いも利用しながら、ラクサス目掛けて掌底を放つ。
「何!?」
しかし、ワタルの“魂威”はラクサスが身体を雷に変えて回避したことで外れ、周囲に炸裂音のみを響かせる。
だが、ワタルの優れた魔力探知能力は視界から消えたラクサスを逃していなかった。
「ッ、後ろ!」
「なっ!?」
死角となった上から後頭部への膝蹴りを、身体を捻ることで紙一重で回避。
雷を上乗せしたラクサスの膝蹴りの勢いは恐ろしく、かすめた前髪が何本か散っていく。
死角からの一撃を避けられたラクサスは驚いたのか隙を見せ、そして――
「セイッ!」
カウンターで左手の“魂威”を、振り向く回転を利用してラクサスの腹に当てた。
「グッ! ……見えてるってのか!?」
「逃がすかっ――そら、受け取れッ!」
ほんの触れただけなのに身体に走った痛みと衝撃に顔を顰めて距離を取ったラクサスに対し、ワタルは巨大な手裏剣を出して投擲。
手裏剣は激しく回転しながら、空を裂き弧を描いて後退するラクサスにせまる。
「テメエがなっ!」
ラクサスはこれに反応、電撃で手裏剣を弾く。
その上電撃の勢いは弱まらず、そのままワタルを襲った。
「何!? ぐあッ!」
ワタルは、慌てて電撃を掌の“魂威”で防御しようとしたが、収束が足りずに完全には防御できず、後ろに吹き飛ばされる。
空中で体勢を整え、何とか着地したワタルは今までの戦闘の感触から分析し、考えた。
「(パワーはやつの方が上。スピードも雷になれる以上、瞬間的な速さも負けてる。勝ってるのは……瞬発力ぐらい、か。……一発大きいのを当てるには小技が必要だな)」
幸い手札はある。地力で負けているため長引けば負けは必至。勝つには短期決戦だろう。
そう考えたワタルは換装空間から鎖鎌を取り出した。
「どうした、そんなもんか!?」
「……」
ラクサスの挑発に応えることなく、ワタルは静かに振りかぶり、左の鎌を投げた。
「喰らうかよ!」
雷を纏った拳で鎌を弾いたラクサスは再び距離を詰め、ワタルの左脇腹に再び中段蹴りを放つ。
今度は躱さずに、ワタルは左腕を盾にして防いだ。
「ぐ、ぅ……」
「ふん……ッ!?」
想像以上に重い蹴りを受けた左腕がミシリと軋み、ワタルは顔を苦悶に歪める。
確かな手応えにラクサスは笑みを浮かべたが……直後に悪寒を感じ、勘に任せて飛び退いた。
「避けられたか……」
その直後、今までラクサスが立っていた場所を背後から鎌が襲った。
種は簡単。弾かれた鎌を右手の鎌の鎖で操って後ろから襲わせただけだ。
「それ、魔力でも操れるのか……だが、そんな小細工が
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