原作開始前
EP.4 模擬戦 VS 妖精の尻尾
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らない力量を持っている者がいるなど、想像もしていなかったのだ。
これで燃えなきゃ男じゃないと、ワタルは静かに高揚していた。
「……グレイ、エルザ、下がってろ」
「そうこなくちゃ」
マカロフを見ると、辟易とした表情をしていた。
それを見るまでも無く、ラクサスが戦闘狂であることは大体分かっていたが……自分も似たようなものかとワタルは内心苦笑した。
流石に誰彼かまわず勝負を吹っ掛けたりするほどではないが。
ラクサスの挑戦を受けたワタルの言葉に、グレイが頷いて観客に紛れると、同時に観客も少し下がったのが分かった。
「(なるほど、それだけコイツの魔法の威力が凄まじいって事か)」
さっきの電撃の威力は当てにならないな、とワタルは考えて、戦術の構築を始めたが……分からない事が多すぎたため、すぐに放棄。
ぶっつけ本番でなんとかすることにした。
「おい、ジジィ! 審判頼むぞ!」
「ハア……分かった分かった。ワタル、すまんが頼むわい」
「了解……ほら、エルザも下がれ」
「あ、ああ……でも負けるなよ。あいつ強いぞ」
「ああ、分かってるよ」
エルザの言葉に笑って返すと、彼女はグレイを追って観客の方に下がった。
「女の相手とは、ずいぶん余裕だな、新人」
「『ワタル』だ。名前、知ってるだろ? せ・ん・ぱ・い」
「フン……認めさせてみろ。話はそれからだ」
「はいはい……」
ラクサスはヘッドホンを外し、ワタルは気を引き締め直す。
闘気が充満し、誰かの飲んだ唾の音さえ明瞭に聞き取れるぐらいの沈黙が訪れる。
そして……
「では……始めぃ!!」
マカロフの号令が響き、ワタルは走りだした。
「ハアッ!」
「フンッ!」
ワタルの拳をラクサスは掌で防御し、カウンターの要領で雷を纏った拳を繰り出す。
ワタルは電撃を掌の“魂威”で相殺して受け止めると、そのままラクサスの拳を捕まえた。
「力比べか、面白ェ!」
「ぐ……」
互いが互いの拳を思い切り握りしめると、ワタルは自分の拳が悲鳴を上げるのを感じ取った。
『力勝負は不利』
その判断にそう時間は掛からず、ワタルはラクサスの腹に魔力を集中させた蹴りを入れて距離を取る。
「ガッ!」
「痛てて……なんて力だ、まったく」
「力には自信があるんでな……行くぞ!!」
ワタルは拳に戦闘に支障はない程度だが痛みを感じ、ラクサスの力に驚いた。
対してラクサスは、雷を体に纏いながら距離を詰め、ワタルの脇腹目掛けて蹴りを放つ。
「オラァ!!」
「ッ! “魂威”!」
地を這うように屈んで蹴りを躱したワタルは掌に魔力を集中させると、全身の筋肉を発
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