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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―目覚め―
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 デュエル・アカデミア旧寮跡。かつてタイタンとの闇のデュエルや、セブンスターズとの戦いで用いられたそこが、吹雪さんが戦いの場所として示した場所だった。

「この寮が僕の最初の場所だ……亮や友人と、この寮で過ごした……いや、今はそれより、キミとのデュエルが先だ」

 昔のことを思い出して感傷に浸るよりも、今迫りつつある危機を防ぐため、黒いコートを着込んだ吹雪さんは決意したような表情を見せる。そして封印していた《ダークネス》のカードを解き放ち、再びその黒い仮面を身につける。

「ぐっ……うぉぉぉぉぉ!」

「吹雪さん!」

 苦痛を伴った叫びをあげる吹雪さんに駆け寄ろうとするも、それはすぐさま手で制される。肩で息をするような状態だったものの、吹雪さんに何とかダークネスの力は定着し、再びあのデュエリストが俺の前に姿を現していた。

「僕は……まだ大丈夫だ。そう簡単にはね。さあ、早速始めようか」

「……はい」

 デュエルを通してダークネスの記憶を辿ることで、俺たちの世界への侵略者の正体を探る。そのために闇のカードの封印を解放し、命を賭けた吹雪さんからの頼みに対し、俺もデュエルディスクをセットする。

 ……肝心の【機械戦士】からは、まだ何の答えも返ってこないが。それでもやるしかない……吹雪さんが敵の正体を闇から探るように、俺もこのデュエルを通じて、【機械戦士】たちとの絆を取り戻す……!

『デュエル!』

遊矢LP4000
吹雪LP4000

「俺の先攻」

 デュエルディスクが指し示したのはこちらから。しかし、【機械戦士】たちとの絆が感じられないからなのか、それとも別の要因か……吹雪さんを相手取るのは厳しい手札だった。

「俺はモンスターとカードを一枚ずつセットし、ターンを終了する」

「……僕のターン、ドロー」

 最初の俺の布陣に何を思ったのか、吹雪さんは少し沈黙してからカードを引いた。確かダークネスとしてのデッキは真紅眼を取り込んだ【ドラゴン族】――いつもの吹雪さんとは違い、真紅眼はメインでなく切り札扱いであり、その分多様なドラゴン族が投入されていた。

「僕は《幻木龍》を召喚!」

 封印されている間に力を蓄えてデッキも変わったのか、先のデュエルでは見せなかった龍が召喚される。……むしろ、先のダークネスとは別物と考えた方がよさそうだ。

「そしてフィールドに地属性モンスターがいる時、手札の《幻水龍》は特殊召喚できる!」

 さらに吹雪さんのフィールドに現れるのは、先の《幻木龍》が地属性の龍ならばまさしく水の龍。レベル8の最上級モンスターではあるが、そのステータスは驚異的ではない……が。むしろ吹雪さんの目的は、そのモンスターを二体フィールドに揃えることではないか。


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