―目覚め―
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さんのフィールドにはまだ二体のモンスターが残っている。
「だが耐えられるのも一度だけだ。《真紅眼の黒竜》で攻撃、ダーク・メガ・フレア!」
続いて攻撃してくる《真紅眼の黒竜》の攻撃を防ぐことは出来ず、先の《ガントレット・ウォリアー》のように、《マッシブ・ウォリアー》もその盾ごと砕け散る。……そして無防備となった俺を、ドラッグルーオンは見据えていた。
「……ドラッグルーオンでダイレクトアタック。火炎神激!」
「ぐぁぁぁっ……!」
遊矢LP4000→1000
今度は攻撃を防ぐことは出来ず直撃し、俺のライフは一気に1000ポイントにまで落ち込んでしまう。……いや、それ以上に。地獄の業火のような火力を持ったソレは、俺の身体と精神を焼いていく。
「ぁぁあ……ぐっ……!」
「……遊矢くん。ダークネスの力を借りて、分かったことが一つある」
未だに苦しむ俺に対して、吹雪さんは優しく語りかけてきた。ダークネスとしてではなく……天上院吹雪という一人の先輩として。
「普段僕には感じられない精霊というのも、今の僕になら感じられる。君のデッキが……今、羽化直前の蝶のような気配だ」
俺のデュエルディスクに挿入されたデッキ――【機械戦士】たちを指差しながら、吹雪さんはそう語る。
「異世界で君をそんな目に遭わせて……機械戦士たちも君と同じように、力を望んだんだ。今まで力を蓄えた休眠状態になって、君の呼びかけに答えないほどに」
「休眠状態……?」
信じられない、という目線で俺も機械戦士たちを見る。こんな時、つくづく精霊の存在を感じることの出来ない自分が恨めしい。【機械戦士】たちが変わる必要はない、俺の実力が足りないだけだというのに。
「その休眠状態を目覚めさせるには……相棒である、君の呼びかけだけだろう」
「相棒……相棒、か……」
――そう呟いた後、ドラッグルーオンの炎を振り払って立ち上がる。三体のドラゴンたちに恐れず立ち向かい、【機械戦士】たちが入ったデュエルディスクを掲げる。
「そんな気遣いさせて悪かったな……一緒に戦ってくれ、相棒!」
その呼びかけとともにデッキが金色に輝き――いや、その光は一瞬で収まった。まるで気のせいだったかのように。……だが、聞こえる。
「みんな……」
デッキの声が聞こえる。あの異世界での死闘を乗り越えて、無力感に苛まれたのは自分だけではない。それは【機械戦士】も同じであり、これからは生まれ変わった新生機械戦士――
「……どうやら、一皮むけたようだ。僕はこれでターンエンド」
「いや、エンドフェイズにリバースカード、《奇跡の残照》を発動! このターン破壊された《マッシブ・ウォリアー》を、守備表示で特殊召喚する!」
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