唯斗から見たその日の日常
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習していたものが出てしまった。
「ごめん。俺、誰に告られても答えは同じだ」
「そんな!」
「相変わらず残酷なやつだ。お前。フッた相手に優しくするな」
「どうしたらいいんだ?」
本当だ。俺は羽七に告られて嬉しかったはずだった。でも断ってしまった。いいと言ってあげたかった。失敗した。
「まずその性格を直せ」
「え?」
「いい機会だ。言っておく。興味のない相手に過剰に拘り過ぎなんだよお前は。相手が意識することを知った上での行動だったら性格が悪いぜ」
太輔は言葉を発する。
「すまんな。みんな。今日来てもらったのは2つ理由があるんだ。一つはお前らが好いている。高樹唯斗を諦めてもらうために呼び出した」
そうだったのか。なるほど、だからあの時、均等に男女を誘えと言ったのか。相変わらず、周りをしっかり見ている奴だ。
突然沙織がかけ出した。
「あ!」
「唯斗まった!」
俺が走りだそうとすると歩乃は俺に足を駆けた。
「イタ!」
バランスを崩した。
「篠崎!走らないで。下手に追いかけないで」
「どうする!?」
「歩いてゆっくり行って!」
「え?」
「あの子の体力だとすぐ疲れる。そこを利用して止まったところに行く」
「分かった」
太輔はとことこと歩いて行った。
「本当にこれでいいのか?」
「正解よ。こうすれば絶対成功する」
「…」
「で、みんな。今日集まってもらった理由のもう一つは篠崎の恋を助太刀するためでした」
「そうだったのか」
「まいったな」
羽七と佳奈先輩は頭を抱えた。
「本当にごめんな。2人とも」
「だったらむしろ私を彼女にしたほうが確実じゃなかった?」
「そ、それは」
俺は答えられなかった。
「予想していない言葉が来ると普通ああなっちゃうのはわかるわ」
「でもなぁちょっとやだな」
「ごめん」
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