第二十一話
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ったのだが、なのはが気絶していたため、彼女を救わせる為にユーノだけは魔法を使える状態にしていたのだ。そうじゃなければ、今頃は三人ともコンクリートの染みとなっていただろう。
ただでさえ、ユーノは地球の魔力が体に合わずに衰弱している。おまけに、葵のせいで残存魔力はほぼ空の状態だ。自分となのはを助けるだけで精一杯だと思ったのだが、思った以上に頑張ったようだ。今も、すぐにでも倒れてしまいそうになっている。
正直言って、今すぐにでも殺そうと思えば簡単だ。何故彼が落下死などという迂遠な方法を選んだかといえば、それが管理局に対する言い訳になるからである。
自ら手を下したのでは、葵は正真正銘犯罪者となってしまう。だが、暴走体が自らフェイト達を投げ捨てたのなら、それは事故だ。葵は助けようとしたが、運悪く間に合わなかった。そう言い張ることができる。多少怪しくても、証拠がなければいくらでも言い訳できる。それを狙っていたのだが、ユーノに防がれてしまったようだ。
何故、彼がフェイトたちを殺そうとしたのか?
それは、彼の本質を考えれば簡単にわかる。
彼は、自己中心的人物だ。別に、協調性がないというわけではない。だが、究極的には自分の命が一番大事であり、それ以外はゴミにも等しい存在なのである。自分に害が及ばない範囲で人助けもするが、命が危険に晒されればアッサリと見捨てるだろう。
そんな彼は、フェイトとアルフの凶行のせいで死んだ。実際には仮死状態だったのだが、そんなこと彼には関係ない。二度と体験したくないと狂おしいほどに願った、命を失う感覚。一寸先も見えない闇の中に叩き込まれて、徐々に自分が消滅していくあの恐怖。それを再び彼に味あわせた事が、万死に値する罪であった。
勿論、葵を殺したのは暴走体である。それは間違いない。・・・しかし、フェイトたちの愚かな行為がなければこの暴走体も生まれてはいない訳で、だからこそ、葵は自分の死の原因はフェイト達にあると憎んでいた。
(分かっていたさ。フェイトがジュエルシードの暴走をさせることは。子供だからと、アニメだから笑うこともできた。・・・だけど、現実に俺の命が奪われた。現実になるとここまで憎いものだったか・・・!!!)
ゆえに、彼はフェイトを救済するという願いをアッサリと撤回して、彼女を殺そうとした。彼女たちを縛っていた触手を消し去り、魔法の発動も妨害して。結果的にはユーノのせいで生き残ってしまったが、ほんの少し・・・本当に少しだけ溜飲も下がった。怒りで沸騰しかけていた頭がほんの少しだけ冷静になる。
(俺が直接手を下す訳にはいかねえしな。あくまでも事故に見せかける必要があったんだが・・・しょうがない。今ので|死ぬということが
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