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魔法科高校の有能な劣等生
歩む者、立ち止まる者
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次の実験で成功する可能性を上げる為のデータは得られる筈だ。
 期待はしない。だが、達成感の様な感覚は感じる。
「まぁ、有意義なサンプルとして死体は活用させてもらおう」
 死ぬ事は、ほぼ確定的だ。
 死んだ後は新鮮な状態をキープしつつ一度冷凍保存し。目の前の人工吸血鬼【もどき】の情報を洗いざらい調べ上げその生涯を観察する。監視カメラで捉えた【もどき】の15年間の映像…………食事、睡眠時間、薬、それ等を調べ終えた後で解剖するとしよう。
 本来なら死後、解剖するのがセオリーだが。
 この学者はその非検体の人生を調べてから解剖する変わり者の様だ。
「さて、貴様の番号は…………非検体……0」

 非検体……0?

 確か、破格な金で買収された…………血祀の生き残り。
 なら、納得できる。非検体は生き延び過ぎた。
「貴様、血祀の……あぁ、体質で生き延びてる様だが、何時までもつものか見物だな」
 変わった白衣の学者は最近配属された。
 別に人工吸血鬼に興味など微塵も無かったが、人手の足りない部所らしく高収入を約束され学者は喜んで移動した。
 だが、その仕事内容は退屈なものだった。
 生気を感じない人間に薬物を与え、結果を上に報告するそれだけだ。
 大概の人間は薬物を摂取した瞬間、死ぬ。稀に生き残るケースも有るが、数分後死ぬので余り変わりない。
 その数分の差を生き延び過ぎた人間を解剖しバラバラにするだけで使い切れない大金をポンっと手渡される。
 現金で手渡しでだ。この時代で手渡し? 最初は偽札と疑ったが全部本物と解った瞬間、学者は自分が何者か解らなくなった。
 人生がつまらなくなったのだ。
 退屈で無意味な人生…………辞める事もできず仕事を続ける学者は取り敢えず生きるのだ。
 別に仕事が嫌いな訳ではない。楽な仕事だし大金も手に入る。だが、スリルが足りない。
 前の仕事が懐かしい。
 あの殺伐とした職場―――死ぬのは当たり前、それは今と変わらない。
 だが、死に方は天と地の差だ。
 薬で死ぬか殺されるかではこんなにも違いがあるのか? そんな疑問を抱く程、学者は腐っていた。
 元から腐ってた。だが、今の職場で余計に腐りかけていた。

「あぁ、でも生き延びるなら生き延びても構わないよ。メリットも有るし……まぁ、死ぬなら死ぬで生きるなら生き延びるで頼むよ。こんな事に時間を費やしたくないんでね」






「忘れろ!忘れろ!忘れろ!」
 恐怖で竦む足を何度も叩き、少女はゆっくりと歩む。
 後悔する…こんな所、侵入するんじゃなかった。変な色だったから興味をそそられた。
 なんでこんな事に―――最近、付いてない。本当に付いてない。
 これもそれも全部、黒色のせいだ!アイツを調査してから…なんで……こんな
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