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魔法科高校の有能な劣等生
歩む者、立ち止まる者
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ドだと思うけどアレと合わせるってのは大胆な発想力だ。
 安全装置も組み込んでる様だし……当分、大丈夫そうだ。
「あ、そうだそうだ忘れてた」
 無月 零の数少ない理解者は胸元のポケットから紙切れを取り出し影に差し出す。
「なんだよ?」
「依頼の件だよ、まぁ、報告書って奴だ」
「…………」
「そんな疑ってる様な顔で見ないでよ、結構苦労したんだよ? 家柄から祖先まてきっちり調べたから報酬は弾んでよね♪」
 明らかに疑ってる表情で影は手渡された紙切れを受取りしぶしぶと中身を確認した。
「…………千里眼」
「馬鹿げてるだろ?」
「成程、便利な魔法だ…………俺の正体を見破る程の魔法だから。
 もしや……と思ったけど予想通りだ」
「予想通り? 目星は付いての?」
「まぁ、大体な……アイツ、俺を見て黒色って言ったんだよ」
「ほぉー」
「俺のサイオンの《色》を見破ったんだ……それ程の魔法は限れる」
 予想は的中した。
 ある程度は察してた……でも、的中してるとは思ってなかった。
 アイツも魔法科高校に入学を許可されたEXTRAnumbersだったなんて……。
「ウチの高校もケチなのか適当なのか解んなくなってきたよ。
 劣等生してなら入学を許可する手口って今、流行ってるの?」
「さぁな……だが、他の魔法科高校でも使われる手口らしい」
「らしい?」
「裏口入学って奴らしい…………何時の時代の話だよ」
 だが、そのお陰で大体の目星は付いた。
 むやむやだった奴等の存在も。これなら……利用できれは奴の首を殺れるかも知れない。
「始めるの? まだ、場は整ってないし勇者達も聖剣を探し中だし……当分は狸寝入りするんじゃなかったのかな?」
 妙な笑い方で解った様な顔で影の顔を見下ろす。

「落し物は届けるのが善人だろ? きっかけを与えて落し物を届けるさ」

「あぁ、アレを使うんだね」

「文句あるか?」

「いや、その手を使ったらどっちが悪か正義か区別が付かなくなるな〜って思ってね」

「それにその手は君の希望を掠めとる、最悪の手段じゃなかったけ? 黒色君?」



「…………ッ……ア」
 軋む―――――軋む―――――軋む。
 蹲り、叫ぶ事すら叶わない。微かに口から溢れる声は絶句…………痛み。
 血……血……血…………血…………足りない。
「やはり調整は失敗の様だな」
 愚かな人工吸血鬼を見下しながら白衣の男は言った。
「貴様以外の奴らは失敗した。残ったのはお前のみ……期待はせんぞ。
 期待しても無駄な事は解っている。我々の業界では失敗は当たり前だからな。失敗を重ね、成功を掴むのも科学者として魔法師として必要なファクターなのだよ」
 と言ってもここまで生き長らえた失敗作も初めてだ。成功せずとも
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