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魔法科高校の有能な劣等生
歩む者、立ち止まる者
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飛ばすまで」
 雷撃を地面に受け流す。
 避雷針の応用だ。雷の膨大なエネルギーを地面に拡散させ被害を食止める、それを利用すれば相当の破壊力を持った拡散攻撃となる。
 ちんけな建物はそれだけで崩壊する。残っているのは頑丈な廃墟ビルと元から設置されていたシールドオブジェクトのみ。あの一撃を受けて原型を留めているのは褒めるべきか…………だが、砂煙は消えた。
「振動は?」
「変わらず近付いてくる……ちょっと待て」

「敵は、この真下だ!?」

 直後、彼等は空を浮遊した。
 衝撃……爆発の様な衝突は地形まるごと吹き飛ばした。
 最後に見た物は廃墟のビルの屋上で呑気に空を眺めている劣等生の姿だった。



 振動で俺達の位置を割り出してたんなら。
 騙されも文句はないよね。地面に微弱な振動を与えて反響したその振動に当たった俺の逆算して攻撃してたみたいだけど誤算だったね。

「俺は、重力変換魔法のエキスパートなんだ」

 振動で俺の位置を割り出しても複数の振動を同時に探知すれば解らなくなる筈だ。
 しかも俺の体重で起こせる振動と体重移動を計算に入れて偽の振動を複数作れば誤魔化せるんじゃないか?
 まぁ、下手な鉄砲数撃ちゃ当たる戦法で適当に運で魔法を行使していれば偶然、奇跡的に俺に当たる可能性は有ったろうに。
 まぁ、確実に虱潰しに俺を倒そうとしたのが敗因だな。







「零…………順調の様だね」
 VIPルームから観ても解る。零、退化した。
 喜ばしい事なのか素直に喜ぶべきか……悩める状況だ。
 以前の彼なら試合開始直後、試合を終わらせただろう。確信できる事実に傍観者は安堵する。
「案外、この実力なら苦戦せず勝ち進めるかもね」
「それは、無理だろ」
 無月 影は現実を現状を見定め。
「まぁ、あの程度の奴らなら勝って当然だ。そもそも勝たないと駄目だ、それはお前も解ってるだろ?」
「う〜ん……解ってるつもりだけど。現実はほろ苦いねぇ」
「は?」
「いやー。うん、こっちの話だよ」
 まぁまぁの実力で安心したよ。
 繰り返す記憶改変で魔法の質はランクダウンしている。それは一目瞭然だ。
 安心できる程度、慢心するなレベルの実力で勝ち進めるかは運と仲間次第って所だ。
 曖昧な無月 零の実力を発揮するなら藤宮 介の協力が必要だけど…………彼は九校戦に参加してるのか?
 先程まで影と〔悪戯〕してたみたいだけど参加するならアレを渡さないと。
 それにしても……興味深いね。零、CADを変えたんだね。
 以前使用してたのは性能良すぎて変えたのか。あのCADもシルバーの造ったのかな? 先程の魔法発動時、シルバーの造ったCAD特有の騒めきを感じた。歪む様な蜃気楼の様なアレの正体はサイオン・ザー
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