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魔法科高校の有能な劣等生
歩む者、立ち止まる者
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…相手は振動で俺の位置を把握するなら。
「利用出来るかも、」




「移動した……距離は300」
 振動系統魔法で今期九校戦ホープの位置を探知する少年。
 それを仲間に伝え、雷撃でトドメを射す。九校戦では殺傷ランクの高い魔法は禁止されており名目上は安全な模擬戦感覚で行われる。
 だが、殺傷ランク制度を考え直す必要が有りそうだ。
「了解」
「ポイントはAの5。廃墟の建物の地下、隠れてるつもりだろうが無駄な足掻きだ」
 振動系統魔法で動きを封じ爆雷魔法でトドメを刺すコンボは無敵だ。
 理想の攻撃パターンで敵を駆逐する、圧倒的な力でねじ伏せる。この状況で敗北はありえない。
「これでチェックメイト…………待て!」
「どうした?」
「数が増えた…………なんだ? 一つ……二つ…………増えてくぞ!?」
 馬鹿な、振動地点が増えている?
「なんだと? 本物はどれだ?」
「解らない……全部バラバラの振動数で増えたり減ったりしてて」
 振動系統魔法では宛にならない。
 利点を弱点にひっくり返されたな。
 振動で敵を位置を把握する……確かに効果的だ。だが、それは個人戦、小対戦のみの場合だ。
 数が増えたり減ったりするマジックの種は解らないが、状況が変わりつつあるのに変わりない。
「何個かの振動が近付いてくる……数は4…………いや、5」
「大体で構わない場所は?」
「Oの2…………5……Gの3…………他の振動は不規則すぎて位置を把握しきれない」
「解った、お前は引き続き振動数を測れ。
 俺は攻撃を開始する。」
 大まかな位置に爆雷を落とす。
 光の速度で放たれる雷の一撃避けられる筈ない。
 殺傷ランクC《避雷針》を応用した魔法。
 避雷針を応用すればその地点に意図的に雷を降らせる事が出来る。最も威力は制限させるが、その弱点を無くせば避雷針は最速最強の魔法となる。
 規定違反せず殺傷ランクAランク同等の高位魔法…………次の試合から禁止される可能性は極めて高い。だが、1回戦目の試合なら話は別だ。
 1回戦目から初めての試合で使えば文句を言われる筋はない。今なら何度でも、何度文句を言われても規定違反並の魔法を行使できる。
「hit……仕留めた筈だ」
 光の速度で放たれる一撃躱すのは不可能だ。
 そう、躱すのは不可能なのだ。
「ちょ、ちょっと待て!! 本当に当たったのか? 振動は近付いてくるぞ!?」
「なに? なら、もう一撃…………」
 躱した? 光の一撃を? 偶然? いや、偶然で躱せる魔法じゃない? 俺の慢心か?
 自問自答を繰り返し……真剣な眼差しで目標を凝視する。振動のある地点は砂煙を撒き散らし敵の姿を隠している。
 振動を利用した回避行動? 砂煙に紛れ距離を詰めるつもりか?
「なら、砂煙ごと吹き
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