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転生特典をもらっても全て得になるとは限らない
機動戦士ガンダムSEED編
第23話
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 ふと、アイシャはバルトフェルドに現在撤退中である筈の彼の部下達に関して尋ねる。
 それにバルトフェルドは全く変わらない表情のまま「大丈夫だろう」と答えた。


「彼等は優秀だからね。足付きは追撃する余裕など無いだろうし問題なく撤収できるよ。
 それに、彼等なら別の部隊でも上手くやっていけるだろう」
「──それもそうね」


 二人は部下達の事を気にかけていない訳ではない。だが、彼等に実行可能な選択肢は「洸の提案に従う」「潔く死ぬ」「足付きに投降する」の三つ程しかない。
 「撤退している部隊と合流する」という選択肢はまずラゴォが動けなくなっている時点で実行不可能だ。洸にしてもすんなりと逃がしてくれるとは到底思えない。
 バルトフェルドも最初は洸の提案に従うつもりはなかったが、今までのやり取りの中で洸に、尚且つ自分達二人を仲間にして何をする気なのか興味を持ったからこそ提案にのる事にしたのだ。それがなければ迷い無く二番目の選択肢を選んでいただろう。


「(──無責任な事この上ないが、頼んだよダコスタ君。今は君が頼りだ)」

 
 自分の部隊よりも自身の知的好奇心を優先させた時点で自分にそんな事を祈る資格など無いのは彼自身が一番よく分かっている事だ。
 しかし、それが今の彼が自身の部下達に出来る唯一の事だった。


 二人の会話が終了したのと同じ頃合いにどうやら彼方も通信が終了したらしく、再度此方に向き直る。
 それを見た二人はいよいよか、と気を引き締めた。


「さて、そろそろ拠点の方に行ってもらう訳だが、準備はいいか?」
「ああ。構わないよ」
「ええ」


 了承した二人であったが、まさかこの後あのような現象に見舞われるとは想像も出来なかっただろう。
 洸はそんな二人を、まるで悪戯を成功させた子供のように満足げに笑いながらこう呟くのだった。


「そうか。──じゃあ、また会おう。今度会った時に今から起きる事の感想を聞かせてくれ」


 そのまま洸はジンを操作し、大量の砂を巻き上げながら猛スピードでその場から離れていった。
 それを呆然としながら見守っていた二人だったが、直後に奇怪な騒音がコックピット内に響き始めた。


「何?この音は?!」


 決して耳を塞ぎたくなる程不快という事はない。


 ──だが、これから何かが起こると思わせる。

 ──言いようのない得体の知れない不安感を覚えさせる。


 そんな不思議な音だった。
 こんな音は今まで生きてきた中で一度も聞いた事はない。いや、こんな音は自分達以外に聞いた事がある人間が果たしてどれくらいいるだろうと二人は思う。
 そして騒音は次第にその音量を増していき、ついに画面に映る光景が謎の光
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