Fate/stay night
1167話
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言葉に、俺は首を振る。
「いや。呼んで、俺に近づけば当然向こうはその存在を察知するだろう。桜の心臓に寄生している臓硯とやらもな。そうすれば当然向こうを警戒させる事になる。それをさせない為には、不意打ちで一気に対処する方が成功率は高い」
「……ですが、不意打ちと言ってもそう簡単にはいきませんよ? 間桐臓硯は桜の心臓から、周囲を常に警戒している。幾らアークエネミーでも、それをどうにかするのは難しいのでは?」
ライダーが心配そうに告げるが、その本心は俺が迂闊な真似をして桜の身体に余計な怪我を負わせないかって事だろうな。
まぁ、それは分かる。
居間の桜が具体的にどんな状態なのかは分からないが、アンリマユとの契約でいわゆる黒桜になっている可能性も……いや、ニュースとかを見る限りでは行方不明事件とかが起きている様子はない。まだそこまでにはなっていない可能性が高いか。
「安心しろ。俺の攻撃なら、ほぼ確実に向こうに奇襲を行う事が出来る」
「……確実に?」
「ああ。試して見るか?」
そう告げ、真アサシンから入手した気配遮断を使用する。
その瞬間、その場にいた者達の視線が俺から外れたのを確認し、そのままライダーの後ろへと向かう。
真アサシンから入手した気配遮断は、さすがにアサシンのクラススキルだけあって生身の生物に対しては有効だ。
まぁ、攻撃をしようとすればランクが大きく下がって確実に見つかるという欠点はあるものの、それでも最初に不意打ちを仕掛ける寸前まで相手に見破られないというのは大きな利点だろう。
正直、影のゲートを使った奇襲も考えたんだが……セイバーやライダー、衛宮、イリヤといった面々に影のゲートの件を教えるのは今はちょっと躊躇われた。
あの魔法は、俺にとっては切り札というにはちょっと使い過ぎだが、奥の手の1つであるのは間違いない。
特にこの世界だと、転移魔法……いや、転移魔術ってのは限りなく魔法に近い魔術って扱いだからな。出来れば人目に晒すのは出来るだけ避けたい。
「ま、こんな感じだな」
「っ!?」
背後で気配遮断を解除して呟くと、ライダーが反射的に床を蹴って俺から距離を取る。
「そんなに驚くなよ。……とにかくこうやって近づけば、向こうに気が付かれる事なくどうにか出来るだろうな。で、どうだ? これで俺に任せる気になったか?」
そう呟く俺の言葉に、衛宮もセイバーもライダーもイリヤも、全員が何も言う事はなかった。
まぁ、そうだよな。転移魔法程に規格外じゃないにしても、この気配遮断は十分過ぎる程の性能を持っている。
アサシンのクラススキルだというのは理解しているのかどうか分からないが、ぶっちゃけアサシンがこのスキルを持っているってのはアサシン自体の能力がかなり低いというのも
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