3部分:第三章
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第三章
「犬達の餌に」
「勿論です。それにです」
「我々の食料にもだな」
「何が起こっても食べ物があれば何とかなります」
ロナウドは真剣な面持ちで話した。今彼等は岩山の中にいる。細い道の周りは険しい山々だ。まだ雪は見えない。しかし肌寒くはある。
「まずはそれです」
「人間食べないと死ぬか」
「ですから食料はこれでもかと持って来ましたし」
「干し肉にレモンもか」
「レモンは少しずつ食べていきましょう」
それはそうするというのだ。
「壊血病にならない様に」
「長旅にはならないのに随分と慎重だな」
「何があるかわかりませんから」
またこのことを言うロナウドだった。彼はあくまで真剣である。
「ですから」
「だからか」
「そうです。山は恐ろしいものです」
この言葉をどうしても打ち消さない。どうしてもであった。
「ですから」
「このまま進んでか」
「はい、気をつけて行きましょう」
「犬達も役に立つか」
「犬であるべきです」
馬を退けてまで言った言葉である。それをここでもエドワードに話したのだ。
「馬ではなくです」
「まだ話はよくわからないがね」
「それでもです。私を信じて下さい」
ロナウドの言葉も真剣だった。
「御願いします」
「よし、それならだ」
もう山には入っている。引き返すことはできなかった。それならだった。彼も腹を括っていた。これは彼もまた軍人だからであった。
「山を越えよう」
「そして友軍に報告を」
二人でそのまま犬達と共に進む。暫くは何事もなく進んだ。餌も順調に手に入った。彼等も犬達も今は新鮮なものを優先して食べていた。またロナウドはここであるものをエドワードに勧めて食べてもらっていた。それは。
「タンポポかい」
「これを食べて下さい」
自分も食べながら勧めるのである。
「レモンはいざという時に置いておいてです」
「そのうえでかい」
「はい、ですから」
彼がリュックを背負っていた。食べ物は犬達に分担して背負わせている。無論エドワードも身軽ではなくその背に多くのものを背負っている。
その中でだ。彼は言うのであった。
「ここはです」
「肉ばかり食べては駄目か」
「ええ。あとは捕まえた動物の血も飲んで」
「血もかい」
「肉は焼いてもいいですけれどね」
実際にそうしてきている。当然ながら火打石も持って来ている。全てにおいて用意万端であった。
「それでも血も飲んで」
「生きる為にかい」
「その通りです。とにかく進みましょう」
「うん、それじゃあ」
こんな話をしながらそうしてタンポポを噛み獲物の血を飲みながら犬達と共に進んでいく。数日進んでいると遂にであった。起こったのだった。
「!?吹雪か」
「そうですね」
急に目の前が
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