2部分:第二章
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第二章
「喜んで」
「せめて道に詳しい者を連れて行け」
上官は今度はエドワードに告げた。
「わかったな」
「わかりました」
このことには反論しなかった。そうしてであった。
二人で山を越えることになった。すぐに出発した。エドワードは馬に乗る。だがここでロナウドが彼に対して言ってきたのである。
「馬は止めておきましょう」
「駄目なのか」
「山道は馬にとっては非常に険しいものです」
だからだというのである。
「ですからそれよりも歩いた方がいいです」
「そうなのか」
「そしてです」
さらに言う彼だった。
「山に入る間にです」
「入る前に?」
「服を買っておきましょう」
こうも言うのであった。
「それもです」
「服をか」
「吹雪が尋常なものではありません」
その目を鋭くさせるロナウドだった。
「ですからそれは」
「それは?」
「用心に用心を重ねるべきです」
このことも話した。
「だからこそです」
「吹雪がそこまで凄いのか」
「そしてです」
ロナウドの言葉は続く。
「テントも買っておきましょう」
「テントもか」
「そうした費用は貰っております」
コストとして当然のことであった。だからであった。
「ですからそれもです」
「荷物は多くなるな」
「その為に荷物持ちとしてです」
「荷物持ち?」
「犬を連れて行きます」
「犬をか」
「はい、犬をです」
それもだというのである。
「犬を連れて行きます」
「そうか、犬をか」
「少なくともこのまま馬で行くと確実に死にます」
それを全てわかっている今のロナウドの言葉だった。
「ですから」
「馬でなく犬か」
エドワードは腕を組んでいぶかしむ顔になっていた。彼にとってはどうしてもわからない話だった。それでその顔でまた彼に言った。
「犬も確かに役に立つ生き物だが」
「ここは馬ではなく何があっても犬です」
「乗れなくてもか?」
「はい、ここでは乗る必要はありません」
やはりそれはないというのだ。
「犬を多く連れて行きます。食料も持ってです」
「わかった」
とりあえず彼の言葉を受け入れるのであった。
「それではだ」
「はい、それでは」
「行こう」
何はともあれこれで決まりであった。
山に入るとだ。まずは穏やかだった。エドワードは犬達を前にしながらロナウドに対して言うのだった。
「なあ」
「何でしょうか」
「獣がいれば捕まえるんだな」
このことを彼に話したのである。
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