2.『紅の少女』
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最高よ。持って帰ろうかしら」
博麗神社が外来人を外へ送り出す重要な場所であることはもうわかっているので、それは無理だろうなと心の中で苦笑した。
が。
「いいわよ」
「(えっ、即答!?)」
「あらいいの?」
「この子、結界を通るときに軽く記憶が飛んでいるのか、どこから来たのか心当たりが無いそうよ。ならば、この子が外の世界の人間である以上戸籍があるはずだから、それを探す必要がある。それにかなり時間がかかるのよ。しかも、私は用事があって出かけなきゃいけない。万が一この子が神社で妖怪に襲われることがあるかもしれないのよ」
なるほど、とレミリアが頷く一方、東は首を傾げた。
「(人間と妖怪が信頼し合っている……?)」
「こんな最高の抱き枕があれば、ぐっすり寝られるわ。よし、このレミリア様がお前を守ってやるぞ」
ふにゃーと頬ずりしてくるレミリアを可愛いなと思いつつ、おもちゃになった気分で少し複雑な心境の東である。
ともあれ、これで身の安全は保障された。
あとは情報収集を迅速に進めるだけである。
「勢い余ってバキッとやらないでよ?」
「馬鹿ね、私がそんな不器用だとでも?……フランならやりそうだけど」
……東の背筋に冷たいものが走った。
「(大丈夫……うん、大丈夫……?あとは情報収集を集中的に行うだけだ)」
東は再び、レミリアを見つめ、やや愛想よく目を細めた。
するとレミリアは機嫌をますます良くし、東の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「この子懐いているわね。よし、決まりだ」
「……ところで、私って怖いのかしら」
雲間からは一筋の光が差し、すでに雨は止んでいた。
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