竜の王
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りを捧げるように動かないでいる。
「集中してるみたいね」
「ここはウェンディに任せよう」
シャルルと俺はハッピーたちにそういった後に前にできていく渦を見上げる。
俺たちの大きさを越えたくらいになっただろうか、大きくなった渦の中から突然決して人のものではない、動物の巨大な手が出てくるのが見える。
「「「ヒッ!?」」」
「これは・・・」
光の渦の中から徐々に姿を現してくるモンスター。大きな翼を持ち、巨大な牙を生やした四つ足のモンスターはどう見ても竜そのものだった。
ガアアアアアッ
「「「「「「うわあああああ!!」」」」」」
「「「きゃあああああ」」」
目の前に現れた鮮やかな緑色をしたドラゴンが叫んだことにより思わず驚いて同様に叫んでしまう俺たち。それを見たドラゴンは大笑いしながら俺たちを見下ろし話し始める。
「人間の驚いた顔はいつ見ても滑稽じゃの」
アクノロギアとは違いバリバリ人間の言葉で話し始めるドラゴン。あまりに普通に話しているので俺たちはポカーンと口を開けてその姿を見上げている。
「我が名はジルコニス。翡翠の竜とも呼ばれておった」
わざわざ自己紹介までしてくれるなかなか親切なドラゴン。彼?は辺りをキョロキョロと見回し始める。
「ワシの魂を呼び起こすとは、天竜グランディーネの術じゃな?どこにおるか?ん?」
ジルコニスはしばらく辺りを見回した後、自分の目の前で祈るように魔法を発動させているウェンディで視線を止める。
「かわええのぅ。こんなちんまい滅竜魔導士がワシを起こしたのか?」
ジルコニスはウェンディの顔に合わせるように地面に顔を近づかせている。
「おいコラ!!ウェンディに近づくな!!」
ナツさんはウェンディを見つめているジルコニスに怒鳴りながら近づくと彼と額を合わせるように睨み合う。
「嫌じゃ!!この娘はワシが喰う!!」
「テンメェ!!」
「ナツさん落ち着いてください!!」
今にもジルコニスとケンカを始めそうな勢いのナツさんの腕を掴み引っ張る俺。
「なんで止めんだシリル!!ウェンディが喰われちまうぞ!!」
「そんなわけないじゃないですか・・・」
いきなりドラゴンが目の前に出現したことで完全に冷静さを失っているナツさんは正しい区別がつかないみたいだ。ウェンディが食べられるわけないじゃないですか。
「そっちの小娘はよくわかっておるようじゃのぅ。「小娘じゃありません!!」ほれ、幽体に何ができようか」
ジルコニスは俺の言葉は完全に無視してナツさんの体をデコピンしてみせる。しかし彼の体はウェンディの魔法によって作られたいわば幻の姿。当然デコピンはすり抜けるしウェンディやここにいる俺たちを食べる
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