竜の王
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ガリガリガリ
地面に長い木の棒で魔法陣を書いていくウェンディ。その魔法陣もほぼ完成しかけている。
「やっぱり。攻撃用の魔法だと思ってたからここの文字が違ってたんだ」
魔法陣のある一部を見ながら納得したようにウェンディはそう言う。ウェンディが照破・天空穿を覚えたのになかなかこっちの魔法が習得できなかったのはそういうことなのか。魔法陣は文字が少し違うだけで全く効力を発揮できなくなるから作るときは細心の注意が必要なんだよな。
「何やってんだウェンディ?」
「あんた話聞いてなかったの?」
「ミルキーウェイだって」
ナツさんはウェンディが何をやっているのかわかっていなかったらしくシャルルとハッピーに教えられていた。
「これでよし。皆さん、少し下がってください」
魔法陣を書き終わったウェンディは俺たちを危なくないようにと後ろに下げる。俺たちが下がったのを確認した彼女は魔法陣の真ん中で両膝をつくと神に祈りを捧げるように両手を高々と掲げる。
「さまよえるドラゴンの魂よ、そなたの声を私が受け止めよう・・・ミルキーウェイ!!」
ウェンディが呪文を唱えると大きな魔法陣が光り輝く。
「「「おおおっ!!」」」
ウェンディの上に集まるように昇っていく光を見てナツさん、グレイさん、ルーシィさんは感嘆の声をあげている。
「きれい!!」
「星だぁ!!」
「なんだか神秘的・・・」
ルーシィさん、ハッピー、俺が色鮮やかな光にそう言う。すると辺り一面に広がっているドラゴンの骨がカタカタと揺れ始める。
「あぁ!!骨が!!」
「いたたたた!!ルーシィさん痛い!!」
「大丈夫なのか!?ウェンディ」
骨が動いたことにビビったルーシィさんは近くにいた俺に抱きつくようにくっついてきたのだが、あまりに腕に力が入りすぎているためかなり痛い。
グレイさんも嫌な予感を感じたのか、ウェンディに確認の声をかける。
「ドラゴンの魂を探しています。この場に漂う残留思念はとても古くて・・・小さくて・・・!!」
目を閉じてドラゴンの魂を探っていたウェンディは何かを見つけたように大きく目を見開く。
「見つけた!!」
ウェンディはこの場に残っていた魂を見つけると、それを呼び起こそうと魔力を集中させるため、掲げていた両手を胸の前で合わせる。
するとウェンディの正面の少し上空部分に緑色と黄色の渦が巻かれていく。
「おおっ!!」
「あれが・・・魂なのか!?」
「「ウェンディ(〜)!!」」
グレイさんとリリーが次第に大きくなっていく魔力の渦を見てそう言い、ハッピーとセシリーがウェンディに確認しようと声をかける。
だがウェンディは目をぐっと閉じたまま体の前に合わせている両手に力を入れてただ黙って祈
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