7.姉ちゃんの謎
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せはじめた。
「ひぇえええ!! お、お母様!! それは秘密にしてって言ったじゃないですかぁあ?!」
比叡姉ちゃん、何を入れようとしたんだ……
「母さんの口からは言えない……おぞましすぎて……あんなものを入れようとするだなんて……」
「ひぇぇえええ!!!」
僕は、母さんからはついにその“おぞましい食材”の正体を聞くことは出来なかった。父さんが僕のいないところで母さんから聞き出したらしいが……
―聞くなシュウ……思い出したくない……洒落にならん……本当におぞましい……
と青ざめた顔でつぶやいた。一体何を料理に入れようとしたのか……というのは、お風呂から上がった後の話だ。
お風呂から上がると勉強が待っている…風呂上がりの僕は、やや憂鬱な気分になりつつ気合を入れて風呂あがりの牛乳を堪能していたときだった。
「シュウくんは今日も勉強するの?」
僕より先に入浴を済ませていた比叡さんが、うちの港に海上保安庁が来たとか言ってるニュース番組を見ながら、僕にそう話しかけてきた。ひょっとしてこの前みたいに何か僕の力になろうとしてるのかな?
「するよー。今日は数学の予定」
「そっか?……それだったらお姉ちゃん力になれないな?……」
まぁ仕方ない。数学は得手不得手があるからね……と思っていたら、次の比叡さんの言葉はちょっと意外だった。
「私、弾道計算ならなんとなく出来るんだけど、放物線の計算が出来てもシュウくんの勉強の役に立ちそうもないもんね〜……それにあれだって、結局挟叉にさえしちゃえばあとは当たるまで撃つだけだし」
……いや、姉ちゃん、僕が今晩やる勉強は理科じゃなくて数学です。
「あ、そっかぁ! 物理じゃないもんね! 計算っていったら弾道計算しか思い浮かばなくて……ごめんシュウくん!! あははははははは!!」
「あは……あはは……あははははは……」
比叡さんは屈託のない笑顔でケラケラと笑う。なんだよ弾道計算って……。
部屋に戻ったあと、さっきの会話のことが気になって、ネットでちょっと調べてみることにした。キョウサという言葉を調べると、軍艦で砲撃をするときの用語だそうだ。そして弾道計算……何かが引っかかる。
何か心に引っかかるものを感じ、僕は引き続き、パソコンで太平洋戦争のことを調べてみた。確かに、この前比叡さんが僕に話してくれていた内容は寸分変わらず事実だった。太平洋戦争はかつて大東亜戦争と呼ばれていたし、開戦時、真珠湾とともにマレー半島を攻めたことも正しかった。ミッドウェー開戦までは日本軍は快進撃を続けていたことも、その後の戦いは悲惨極まりない状況だったことも正しかった。伊達に岸田が悔しがったわけではない。
そして僕は、ある事実を知って血の気が引い
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