7.姉ちゃんの謎
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と、僕自身今日のことはまだ整理がついてなくて、頭が混乱してる。今日倒れちゃったのも、それが理由だ」
「……そっか」
「でもね。約束する。整理が出来て、僕なりの答えが見つかった時、今日のことを姉ちゃんに話す。だからそれまで待っててくれるかな」
「シュウくん……無理してない?」
「大丈夫。必ず答えに辿り着くから」
そうだ。僕はまだ、今日知ったことの整理すら出来てないじゃないか。比叡さんが誰なのか。今日岸田の家で体験した一連のこととの関係は何なのか。自分なりの答えどころか、ただいくつかのヒントを突然ぶつけられただけで、まだ何も分かってない。自分なりの答えすら見つかってない。
だったら見つけて辿り着けばいい。僕が出来るやり方で、比叡さんの秘密にたどり着けばいいのだ。たとえ事実が分からなくても、自分なりの答えを見つければいい。今のまま何かに怯えて、比叡さんを悲しませるよりはずっといい。そして、それはきっと比叡さんにとっても、悪いことではないはずだ。何も分かってない今よりも、必ず前進するはずだ。
僕は決意と共に、左手で比叡さんの右手を強く握った。見つけてやる。比叡さんがどこから来て、何に巻き込まれて、なぜここにいるのか。絶対に探り当ててやる。だから待ってて比叡さん。
僕と話をしているあいだ、比叡さんは僕と目を合わせなかった。でも、僕の決意がつないだ手を通して伝わったのかも知れない。比叡さんも同じく僕の手を強く握り返し、やっと僕の方を向いてくれた。その表情は、目に涙が溜まっていたけど、いつものお日様のような眩しい笑顔をしていた。
「分かった。シュウくんがそういうなら、お姉ちゃんは待ってるよ!」
「うん。ありがとう姉ちゃん」
「うーうん。私こそありがとうシュウくん」
よかった。姉ちゃんは分かってくれたみたいだ。
安心した途端、僕は体中から力が抜けていくのを感じた。まだ本調子じゃないのは理解していたつもりだったけど、まさかこんなに体力が落ちてるとは思わなかった。緊張が途切れてホッとしたのも原因なのだろうか。途端に頭が重くなり、世界がひっくり返った。まるで頭にくっついたエナジーボンボンでも引っ張られたかのように、僕は比叡さんの膝に倒れこんでしまった。
「んぁっ……」
「?! シュウくん大丈夫?!」
大丈夫。気持ち悪くもないし頭も痛くない。ただ、ちょっと疲れただけだから……
「気分悪くない?! 大丈夫?」
うん。むしろ姉ちゃんの膝枕きもちい……だからもうちょっとこのままいさせて……
「……わかった。お姉ちゃんの膝枕でよかったら、このまま寝ていいよ」
そういって、比叡さんは僕の頭を撫でてくれた。優しく、だけど僕の髪の毛がくしゃくしゃっとなる程度にガサツに。それがすごくキモチ
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