SAO42-守らりたい者
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」
「そう、ですね……」
話の整理をすると、今日もいつものように『大自然の迷路』のマッピングを行い、モンスターとエンカウントしても攻撃の赤の戦士、防御の鋼の騎士の息の合った相性抜群でなんも問題なく倒して行ったけど、今日は鳥類モンスターの奇襲攻撃から鋼の騎士は赤の戦士を庇ったせいで、赤の戦士は怒りだした。
「赤の戦士は言いました。余計なことをすんじゃねぇって、それくらいどうってことないって。わたしには耐久力があるので、赤の戦士を失うよりかはわたしが身を捨ててでも守るべきだと言ったら、余計に赤の戦士さんを怒らしてしまいました。」
「身を捨ててまで、赤の戦士を守る……か」
それは良いことか悪いことかは判断できない。
でも、これで話の内容は理解した。きっと想いのすれ違いなんだろうと、私は話のなかで理解できた。
だったら、それを赤の戦士に……
「……なんで、なんでっ」
「え?」
「なんで、ふざけるなって、言う、んですか……」
ボロボロと、鋼の騎士は溢れる涙を流す。
「だ、だいじょ」
「た、確かにっ、余計なことだと思う、かもしれません。でも、命をかけても守ろうとすることって、いけないことなんですか!? 自分の命を犠牲にするのは良くないって、聞きますが、それでも! それでも守りたい人を、命をかけても守りたいってことは、そんなにいけないことですか!? 自分の命を優先してでも、生きてほしい人を守れないことがどれだけ辛いか、どれだけ後悔を繰り返すことか、どれだけ、どれだけ悲しい思いをするのか、赤の戦士さんは……何も、ないもわかっていないんです! 赤の戦士さんがやられそうになった時、わたしが、あの時、どれほどっ、恐かったのかっ」
「…………」
私は知っていた。鋼の騎士がどうして急に涙を流し、言葉にどこか荒々しいものを感じられるのか。溜めていた言葉に、耐え切れずに吐きだしてしまったんだ。そして一度溜まった言葉を吐き出したら、もう止まらない。感情のままに流れ、言葉をどこかにぶつけ、人にぶつける。私達はそういう風にできているのだからそう簡単に言葉だけで中々解決できない、できるわけない。鋼の騎士の溜まっていた言葉を吐き出すしか、スッキリしない。涙と一緒にね。
「わたしは、ただ……ただっ……些細なことでも、守り、たかっただけなのに……それで、死んでほしくなかった、だけなのに……」
だから、私はあえて鋼の騎士を止めることはしなかった。ここで一度、鋼の騎士の本音を聞いてみようと思った。抱きしめたら人は落ち着いて心地よくなる穏やかさを私は覚えている。とても安心して、気持ち良く、暖かい。でもそれだけじゃ駄目。一度、溜まった思いは吐き出したほうが良い。それからどうするか考え、鋼の騎士に教えよう。
「いいよ、鋼の騎
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