SAO42-守らりたい者
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盾を構えなくても、身を守るように庇っても、HPをゼロにする方法がわたしにはありますから」
奇襲攻撃を防ぐ方法? そんな方法があるのは初耳だ。もう半年以上も経って初耳だから、誰もが習得するものではない。なにせHPがゼロになれば現実世界と同様に死んでしまい、生き返ることはできない。命を守る方法があるのなら、すでに情報が流れるのは必然に近い。
「それって、鋼の騎士しか知らない方法」
「方法……というより、“特殊なスキル”なんです」
“特殊なスキル”。その言葉に私はなにを差すのかは理解した。そして多分、その能力も話を聞いている限り見当はつく。
「わたしの“特殊なスキル”は一度だけ、一体の攻撃をゼロにする能力なんです。ずるいですよね、わたしだけ命の保険があるんです」
予想は大抵当たっていた。それが彼女の“特殊なスキル”――――もう一つのユニークスキルかつ、魔法でいう特殊効果を持ったユニークスキルなんだろう。槍を蛇のように矛先が伸びるスキルも他のプレイヤーが使っているところは見たことないから、“彼女も二つのユニークスキル”の使い手だ。
「それって、結構重要なことだよね。私に話したりしていいの?」
多分、相手は私のこと知っていると思う。私が過去にどんなことをしてきたのか、多分私は鋼の騎士に恐れる存在だと思うのにどうしてバラすようなことを……。赤の戦士との出来事も自分が庇ってなんともなかったの言葉で十分納得するはずなのに……。
「ごめんなさい」
「え?」
鋼の騎士は理由を告げずに謝ってきた。私は謝った理由を訊ねると鋼の騎士はまた「ごめんなさい」と謝って理由は話した。
「ごめんなさい。わたしにも、なんだがわからなくて……ただ、白の剣士さんに聞いて欲しかっただけかもしれません」
鋼の騎士が私に秘密のスキルを教えた明確な理由にはなってないが、嘘は言ってない。そう思ったのは鋼の騎士の似たような気持ちがわかるから、私だって自分がわからないことだってある。自分でこんなこと話す気はなかったはずだと思うことだってある。きっと鋼の騎士は誰かに助けを求めたいけど、自分ではわかっていないと思う。
「すみません、何言っているのかわかりませんよね?」
申し訳なさそうに涙目で鋼の騎士は言う。でも、そんなことはないと首を振って口にした。
「大丈夫。鋼の騎士は話したいことを私に話せばいいんだから」
私に遠慮なしに話したいことを、言いたいことを言えばいい。口に出すことで気持ちは少しでも楽になるはずだから。
「本当にすみません。何度も謝ってしまいまして……」
「だったら、もう謝らないの。わかった?」
「は、はい」
「それで話に戻るんだけど、赤の戦士を庇ったことが切っ掛けで喧嘩に発展したの?
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